BS-1のドキュメンタリーでインドのダイヤモンドビジネスの特集がありました。
番組で初めて知ったのですが、ダイヤモンド取引では、
既にインドが世界一の取扱量になってるそうです。
重要な研磨も世界レベルで工場からディーラーへ広いインド国内を、
昔ながらの方法でダイヤを輸送する「アンガディア」と呼ばれる人々のドキュメントでした。
このAからBへの輸送方法が驚嘆でして鉄道やバスなどの公共交通を使って、
時価何億円のダイヤをポケットに入れて運ぶ方法を長年使っています。
封がされた紙包みを依頼された場所に届けるだけのシンプルな仕事です。
一番確かな方法だそうですが、何も聞かず包装に手を付けず信用が全てとは言え、
身持ちはもちろん、人間的にも肝が据わってなければなりませんで、
平静を保ち、何が起きても預かった荷物を生命をとして守る人たちです。
当然「自分がアンガディアです。」と名乗るようなヨタロウでは話になりません。
沈着冷静で責任感があり、報酬よりもプライドが全てのような人物です。
選ばれたら名誉の極みのようですが選考は人物像が最優先です。
ですので新規採用が困難を極め、幼少期よりの道徳教育が大切です。
今時ですので保険も掛かっていますが、
持ち逃げなどはいまだかつて無く、私などは考えただけでも
ポケットに入ってるだけでテンパッてしまって倒れそうです。
番組中で、昔は仕方が無いかも知れないが、
現在のより安く早いシステムを何故使わないのだと問われ、
このシステムで一度も事故もトラブルも無い!なぜ変える必要がある?
と逆に聞かれましたが、言われてみればその通りです。
コストだけを考えると安いシステムは存在するのでしょうが、
営々と築いてきた誇りと信頼を秤に掛ける様な愚かな事はしないそうです。
昔、日本でも当たり前のように存在していた事かも知れません。
効率と引換えに失ってしまうと一切取り返しが利かないものばかりです。
アジア人には理解しやすく共通の価値観が持てそうですが、
日本の現状をみるとアンガディアの様な仕事は成り立たず、
この先も構築する事は不可能でしょう。
グローバルスタンダードと言うモノがいかに軽薄なのかよく分る一例です。
アングロサクソン経済からは一番遠い存在のようです。
宗教観や美意識、価値観、人生観、敬愛し、畏怖する事など、驚嘆しました。
先進国といわれる国々の社会ではあらゆるソースが劣化しています。
改めてインドの奥深さを思い知らされた気がしました。
全くのヨタ話になりますが、このアンガディアを題材に、
ゴルゴ13のシナリオ募集の作品が出来るような気がします。
アンガディア一族のプライドを掛けて・・なんちゃって。
稲穂の海を飛ぶ posted by (C)違いがわかる男