先日下関の同業者の方と取引上の話をする機会がありまして、
バイク業界の実情を悲壮感たっぷりに語り合いました。
年代も概ね一緒でMINEサーキットでレースが行われていた頃の話に及ぶと、
アルバムをめくるように楽しい話で盛り上がりました。
酒があって寝てよしとなれば酔いつぶれる如く語らう事になったはずです。
直接年を言わずにバイクの発売年度に当時の歳で答える受け答えが良かったです。
この業界は私が店を始めた頃がピークでして、
国内4メーカーの出荷台数が330万台ありました。
それが08年度は40万台弱ですので語る必要は無いでしょう。
バブルを境にしての20年前後で右下がりになった業界は少なくないでしょう。
もっと早く消滅した業界もあったことでしょう。
現在話題に上る支払猶予の問題にしても、この時代に無関係では有りません。
日本中のバイク屋を集めてどんなにがんばっても100万台はおろか、
倍にもならない事は統一見解で出てきそうです。
国内メーカーは売れるバイクをめざして、開発を続ける外有りません。
問題は需要がゼロにはならない事で言ってみればチキンレースになります。
いっそ無くなってしまえば解決しそうですが、半端に残るので傷が深くなります。
このままなら多分二社は国内販売拠点を閉めるかも知れません。
企業としても国内は既に見切ってる市場の一つです。
海外での拠点を中心に日本は特別儲からない市場になりつつあります。
食品や燃料と違って工業製品が厄介な事が、製品の品質保証義務があります。
つまり、部品や修理交換サービスを請け負う事が必須になります。
勢いが良い時は収益の柱になるのですが、撤退の足かせにもなります。
交通事故や騒音問題など我々の業種の抱える影の部分もケア不足は否めません。
ですので免許年齢の引き上げを掲げるのですが最早、蟷螂が飢餓寸前です。
あのトヨタでさえ携帯電話の費用が車輌販売の障壁になるとまで言ってますので、
この15年チョットの世の中の変容と勢いは社会の形態を変えました。
コンビニも国内販売は天井だと言っていますので、
時間切れとは思いますが人口形成に合う産業の育成と、
富裕層から税収を上げる方法を構築しない限り国の先行きが有りません。
従来型の成長産業はありえませんから資金注入は全てムダになる公算です。
バイクに限らず趣味に有る程度の金額を出す人口が無くなりつつあります。
趣味の有用性を説いても始まりませんし社会人としての出来が劣化しています。
衣食住以外の生活にあまり関係の無い物で高額商品はやはり厳しい販売環境です。
本当に進退窮まるところまで追い詰められた気がします。
この先の展望に明るい兆しを見出す何か良い材料を手探りしましょう。
貴婦人秋の里を行く posted by
(C)違いがわかる男