毎年、年の瀬には、世相を漢字一字で表現する例の催しが行われます。
この清水寺で行われる行事はすっかり年末の風物詩になりました。
応募は11月2日から受け付ける事になっています。
で、今年ですが、政権交代の「政」と勝手に予想いたします。
個人的には「窮」な一年ですし、恐ろしい事に、この先も続きそうです。
漢字能力検定協会も「迷」な一年でしたし「変」ら無ければなりません。
文部科学省からの「官」を一切遠ざけたのは見事でしたが、
「族」だけで固めた経営内容に「網」が掛けられました。
これ以上は続きませんのでギブアップですが、
清水寺の貫主がカメラの前でエイヤと書いて年が暮れます。
本当にこの漢字という道具は実に便利で、
漢の字と書くわけですが、ほとんどは日本でアレンジしてありますので、
日本語の文法に沿う形のものが多く自然に使えます。
熟語なども考えた人を褒めるしか有りませんし、
思考も漢字の表意イメージで想像が広がります。
本場であるはずの中国とは違い、硬直して使ってませんので、
メイドインジャパンのひらがなとカタカナのとの組み合わせも、
返って漢字の魅力を引き立たせる結果になっています。
実に和洋折衷で良いとこ取りの言語体系のお陰で、
最近はオジサンがついていけない表現が見受けられます。
苦言を呈したくなるような言い回しも多くありますが、
自分が使わなければ良いという事で、ことさら言う必要も無さそうです。
和製英語なども時代を経るごとに見事に機能していまして、
逆輸出した単語も有るぐらいでマスコミ文化のなせる業と言えるでしょう。
この先も文化や言語表現のつまみ食いのような表現は減らないでしょうし、
その中から残った物は根付いていく可能性が大いにあります。
川柳が日本文化を最もよく反映している言語表現でして、
語呂に合わせて漢字の読み方を変える妙も楽しみの一つです。
漢字の用い方で見事に表現して有り、うなずく事然りです。
つくづく漢字一字の催しは良く練られた味のある催しです。
秋暁 posted by
(C)違いがわかる男