まだ、年があらたまるには日にちがありますが、
新年度の４月から「自動車賠償責任保険」略して自賠責の価格が上がります。
自賠責保険は人身事故にのみ適応され、物損や車両には全く関係ありません。
ですので、上がると言う事はかなり使ったと言う結果になります。
しかしながら交通死亡事故はかなりな勢いで減っていますので、
死亡保険金の上限３０００万円よりも、
人身事故の傷害の上限１２０万円が使いまくってると考えてよさそうです。
この自賠責保険は私も事あるごとに取り上げていまして、
我が国が世界に冠たる社会保障制度と呼んで差し支えありません。
ひき逃げに遭い加害者が特定されなくても自賠責分は支払われますし、
加入が容易く、解約がしにくく非常に損をする体系になっています。
この制度のお陰で、自賠責の上限を超えた部分のみ任意保険が担保しますので、
事故によっては自賠責の範囲内で押さえれば保険会社の持ち出しはありません。
もちろん、事故処理などで掛かる経費も発生しますので、
事故に対して応分の責任と処理の負担はやむをえません。
で、自賠責の理念として、儲けても損をしても成らない訳でして、
常に歳出と歳入を一定の幅で押さえる事に決まっています。
今回は値上げになりましたが、過去には値下がりも少なからずありました。
私の仕事でも２７年前は、
250ＣＣ以上のバイクの自賠責の値段は￥64000でしたが、
2012年度現在では￥13410となっています。
相対的な数も減り事故そのものが対人よりも自身の問題と言う側面もあり、
ざっと4分の一程度の金額となりましたが幾分値段は上がっています。
それでも都市圏などで顕著なのが無保険者の増え方にありまして、
加害者が特定されて自賠責の加入が無い場合、人生が終わりますので、
社会問題として考える実に恐ろしい事態なのですが、
動きはかなり消極的で、犯罪と言う自覚が無い場合が多くかなり心配です。
昭和30年に始まり、もう直ぐ還暦を迎えるこの優れたシステムを、
マダマダ有意義な存在にするためにも関係各所の努力が望まれます。
かなり前の写真です。
