日経の企業を巡るニュースには、
シャープ・パナソニック・ソニーが交代で諸問題について記事になっています。
3社共に我が国を代表する家電トップ企業で技術は世界レベルです。
その3社は通年赤字決算を計上する状態に陥って、
シャープは台湾企業への身売りも取りざたされました。
あまりに急激に企業価値が落ちたので、資本提携の話は吹っ飛びました。
世界トップレベルの技術で製品を作っていれば、
自然と業績が付いて来たのですが、そうはならなくなりました。
ならなくなったのですが、やってる事はさほど変わりなく、
海外に移した工場で作って価格競争に備えるのが常套手段です。
既に海外メーカーの後塵を拝する状態で、
今回のエレクトロニクスショーも大型テレビで巻き返しを図ります。
巻き返せることが出来れば一番良いのですが、
多分、そうはならないでしょうし、赤字の幅が急速に減る事も無さそうです。
かといって海外勢に飲み込まれる訳にも行きませんので、
利益が望める大型商品に的を絞った計画のようです。
家電業界に限りませんが、
構造が昭和40年代のパターンが多く、
経営者・労働者、共に安住できるからか、
前年比マイナスでもプラスになるまで身を削る努力を重ねます。
ですので、テレビの存在が業界を苦しめているような状態です。
分かっていても止める訳にもいかず技術革新の努力が続きます。
今回のエレクトロニクスショーの製品も本当に立派な物ですが、
デフレに振った振り子が中々戻ってきませんので、
ちょっと利益が上がっても内部留保に回されて、
報酬面で裾野が広がりませんからデフレの脱却が遅くなります。
3社に限らず、今年が正念場ですので、
メーカーとしての方向をしっかり打ち出す必要があります。
それにしても本当に安くなって申し訳ないかのような気になります。
私の歳だとTVはもとより、電池の値段に驚きます。
もう昔のような値段になることは無いでしょうから、
昔のような産業、企業形態は存続が危うくなって当然かもしれません。