毎日暑い日が続き、溶けてしまわないようにアイスを食べてる気がします。
表題はBSのドキュメンタリーで実は再放送なので、
既に聴視されてえもいわれぬ感動を覚えた方も大勢おられることでしょう。
ともあれ見る事ができて、本当に良かった番組でした。
ドイツに存在するボランティアグループで、
人生の終わりを迎えた人に車でドライブ可能な場所に行き、
楽しく、美しい思い出を少しでも増やしてもらおうと言う趣旨です。
全編、慈愛に満ちた構成で自然に涙が出てしまいますが、
悲しいと言うより寄り添うスタッフの見事な仕事ぶりに感動しました。
ドライブに使われる車は「願いの車」と呼ばれ、
スタッフやグループの身の丈にあった活動がとても自然で、
関わる事で周りも和やかで穏やかな空気に包まれます。
BGMの選び方もさすがにプロの仕事でして、
お年寄りのわがままと減らず口に見事なまでにお付き合いしてるシーンと
二人目の平均寿命の6割ぐらいで世を去る事になった方で、
同じようにゆっくりな調子で流れていても、ピアノと弦楽器を使い分けて、
心の抑揚まで表現して添うような見事な演出でした。
途中、ボランティアグループの研修も紹介されていて、
願いの車で家族を見送った遺族の方も少なからず参加されてるようで、
心構えとして、同情と共感の対処の仕方について論じられていました。
言われて見ると同情は簡単で無責任な思いになりますが、
共感となると人生観と人となりを厳しく問われる気がします。
私自身も胸を突かれたような気分で本当に見て良かったと思う瞬間でした。
もちろん思い方は人それぞれでしょうが、
元看護師のスタッフの方が、
「私は豊かな国に生まれ、幸福な家族に恵まれ
幸せをお返ししなければと考えています」
とのコメントには同じ敗戦国の国民の矜持に襟を正される思いがしました。
私自身も同様な境遇と言えますが、
自身の事で精一杯だと思い込んでる節もあるかも知れません。
番組ではおもてなしでは表わせられない、
共感できる優しさと、いずれ迎えるであろう最後の日々に、思いを重ね、
爽やかで美しい人々の物語に共感できる人類の特異に気づかされました。