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ローファットな生活

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2010年07月05日
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カテゴリ:読書
皆さんもお気づきの通り、最近、タツラー(内田樹を追っかけ読む趣味を持つ人のこと)です。

そこできょうは、タツラーらしく、内田先生と同じタイトルでブログの記事を書いてみようと思います。


私は、3人姉弟の長女で、個別の学習机はあったものの、部屋に本棚らしい本棚はありませんでした。両親も、書斎を持つような家庭ではなく、父の小さなガラス戸付きの本棚には、囲碁雑誌バックナンバーが並び、普段読んでいるのは、会社四季報という家でした。

母は、目が悪かったこともあって、新聞広告に目を通す以外、本を読む姿をあまり見たことがありません。

そんな私がどこでどう本を手にして読んだかというと、学校や公共の図書館です。小学校の図書館では、ドリトル先生シリーズを読みました。学校の隣にあった足利学校の史跡図書館には、中学生以下しか入れない児童図書の部屋があり、児童書(主に絵本)を読みによく通いました。

子供向けの偉人伝もよく読みましたが、この頃の読書傾向が、誇大妄想癖を育てたのではないかと思います。最初に読破した本は、ジュール・ベルヌの「海底五万里」この頃から、夢見がちな傾向はありました。

その後、中学に進学してからは、いじめにあっていたので、授業時間以外は、教室を出て、図書館で本の背表紙を眺めて過ごしました。多少は本も借りましたが、その頃は、小説に興味が持てず、何を読んでいたかは覚えていません。どちらかというと、天文雑誌や航空雑誌などを読んでいた気がします。

覚えているのは、カフカの「変身」だけは読むまいと思っていたこと。あの文庫本の薄さに、簡単に手にしてはいけない何かを感じていたのかどうか。(その後、カフカ全集のある家に住むことになるとは)

進学に失敗して、通った私立の女子高では、図書館は古くて狭くて、職員室の向かいで、生徒が寄り付かない静かないい場所でした。蔵書は少なかったけど、全集モノがいろいろあったので、私はそこで、ベケットやジロドゥの戯曲を眺めたり、休み時間には、イーリアスやオデュッセイアなど、ホメロスに浸って過ごしたのです。

その後、写真専門学校の担任が、ロラン・バルトやスーザン・ソンタグを教えてくれました。この頃は、自由に使える公共図書館が近くに無かったので、少しづつ本を買うことを覚えました。バルトの「明るい部屋」に描かれた写真論に傾倒して、私は専門学校を飛び出しました。

結局、写真そのものは続ける余裕が無く、やめてしまいましたが。

そして、離婚後実家に帰ってからは、学術書は近くの県立図書館で、小説は近くの本屋で、パソコン通信の仲間と情報を交換しながら、中上健二や金井美恵子など、現代文学に染まっていきました。

金井美恵子の初期のある作品(タイトルを忘れてしまって、思い出したら書きます)には、海の無い町に育った者が持つ、海辺への郷愁がとても強く感じられました。

もちろん、チャンドラーのロンググッドバイで、ギムレットの飲み方も覚えましたが、初めて飲んだのは、いつ誰とだったかはよく覚えていません。

市内に一応大学を抱えていた県立図書館には、普段高くて手の出せない学術書が次々と入ってきました。背表紙が気に入った本を手に取り、字面がよければ借りる。これを繰り返しているうちに、亡くなる少し前のジル=ドゥルーズに出会いました。

本人の著作は、何も学んでいない私には読むことができませんでしたが、「記号と事件」というインタビュー集を通して、ドゥルーズという人に傾倒する自分を感じていました。

そして、ある12月の寒い晩。新聞で知ったドゥルーズの訃報を抱えて、いつものようにパソコン通信のチャットにいると、いまの夫がやってきて、彼がドゥルーズの読者だったことを知りました。

その後、彼との付き合いがはじまり、遊びに行った彼の部屋には、ドゥルーズを含む、図書館か神田の書店でしか見たことの無いような本が並んでいました。何回目かのデートで、ABCブックスで、ユイスマンスの「さかしま」をプレゼントされた時には、彼が王子様のように見えましたよ(笑)。

そして、半年未満の交際を経て、私は、自分の本棚もCDも自由に使っていいという彼と生活を共にすることを決意しました。

というか、今考えると、初婚の彼の教育はそれなりにたいへんでしたが、堅苦しい田舎から逃げ出すこともできたし、それなりに美味しく正しい選択だったと思うのです(笑)。





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最終更新日  2010年07月06日 10時20分11秒
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