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ローファットな生活

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2010年08月04日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
2010.08.04
院内暴力とメディア http://blog.tatsuru.com/

とても興味深いお話でした。


5年10ヶ月前に乳がんと出会い、その後も、過敏性大腸と共存する私には、単発性皮膚がん(完治)、メラノーマ(完治)、そして肺がんと共存中の家族がいます。つまり、一、二親等の4/5ががん経験者という家系です。

癌が発見されると、まず患者は、何段階かの感情や行動の変化を経験するのですが、それは、病気の重篤度と本人の気質によって違います。

にもかかわらず、新聞、インターネット、書籍等のメディアで語られる癌というのは、個人を置き去りにして、病理現象を医術がどう解決するかを中心に書かれています。

特別な事情が無い限り、誰しも、病気に打ち勝ち生き残りたいと思うでしょうから、より良い医療を自分が受けられることだけを第一に考えるという、強いエゴイズムに捉えられる人が増えて当然です。

しかし、医療の現場は、環境も様々なレベルで、対する医療者もいろいろな事情を抱えた人間です。それに対して、自己の利だけを要求する患者は、モンスター以外の何物でもありません。

こうすれば病気は治せるという情報をメディアが流し、不安を抱えた人々の心を煽っているというのが、いまの日本の現状ということですね。


実は、我が家の肺がん患者は、最年長者です。病気がわかる直前に、親しい親友を2人亡くしたばかりで、(多少偏屈なので)近所に遊び相手もいません。

あらゆる病気の嫌疑の中からようやく肺がんとわかったときには、病巣の位置が悪く、手術が出来ない状況でした。放射線や、化学療法は、入院が必要と聞き、本人はそれを拒みました。

そして、老人の癌の進行が遅いことを知っていた家族は、日和見療法(現在ある症状だけに対処する=癌に関しては無治療)を選びました。

あれから、2年、癌は多少大きさの変化を見せるものの、転移することもなく、本人も、要介護度2で、週2回しか受けられないデイサービスの利用すら嫌がり、自宅で文句を言いながら元気に過ごしています。(家族にだけは甘えられるのです)

こんな手段が選べたのも、がん患者の現実を知っていたからなのでしょうが。


肉体が若い場合や、進行が早いがんの場合、こんな悠長な治療を選んでいたら、死を招きます。

メディアで告知される最先端医療の多くが、このタイプの患者に適応するものです。


しかし、自分が癌と知らされて、死がより身近に感じない人は、少ないでしょう。私も初期の癌であるにもかかわらず、死に対する心構えを考えずにはいられませんでした。


更には、受けた医療の後遺障害の問題も複雑です。


私は、腫瘍そのものは8ミリと極初期に発見されましたが、乳房全体に石灰化(将来的に癌化する種類のもの)がみられたので、患部をすべて摘出するしかありませんでした。

腕の運動機能は、時間と共に回復しましたが、片方の胸の無いことによって起こる生活上の不便さは、女に生まれたことを恨みたいほど、やっかいなものです。


しかし、先天性の病により、腕や足を失いながらも、それを障害として受け入れられて生きている人たちがいる一方で、誰に何の害も(傷口は見るに耐えないものですが)与えない乳がん患者が、奇異のまなざしを向けられることに、怒りを覚えずにいられません。

そのことを恐れ、必要以上に、乳房の形を意識して手術方法を選んだり、リスクのある再建手術を受けたりする方たちが増え続けているからです。


万が一、麻酔から目覚めなかったら、そう思うと、私はどんな腕のいい形成外科医の手術も、いまは受けたいと思いません。(最初の手術は、切らなければ確実に死が近づくので受けました)


それに、胸が一つ無いくらいで、女性性が疑われるというのなら、女と呼ばれなくてもかまいません。だから、私は、保険で受けられる手術もありますが、医療費削減に貢献します。

現代の先進国で生活する人たちは、文明が発展したと、何か自慢のように思っているようですが、人の心ひとつ大切にできない社会が、豊かであるはずがありません。


医療を取り巻く現場は、文化進化論に縛られているのではないでしょうか。

新しい技術が出来たら、患者が救われる。それが普及するには、資本力があればいいと。

保険や税金を払ったのだからその中で制度の整備をうまくやってくれ、自分も医療費を負担しているのだから、よい治療が受けられて当然という態度は、

日本の医療現場の現実を見ようとも理解しようともしない、裸の王様たちだと思いませんか?


でも、その肝心の救われるべき患者が、どこでどう発生するかは、確実に予測することなどできないのです。






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最終更新日  2010年08月04日 17時26分45秒



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