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2010年08月25日
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カテゴリ:音楽

K-POPを聴いていると、現代音楽が聴きたくなり、現代音楽の重みに打ちのめされると、後期ロマン派が聴きたくなり、次は、ヘビメタに戻るかと思ったら、リッサン(コリアンラップ)を聴きながらこれを書いています。


サマーフェスティバルで、妙に濃密な現代音楽を聴いてしまった私の脳が、翌朝ファーストクラシックである後期ロマン派を要求したので、久しぶりに好きな曲を聴こうと思ったのですが、シベリウスが見当たらず、ドヴォルザークを探したら、8番が3枚出てきました。




私は本質的には、ワルターのようなパワフルな指揮が好きなのですが、ドヴォルザークの8番に関してはちょっと違います。うねるような量感でホーンを鳴らすのは彼の持ち味で、それはそれで聴き応えがあるのですが、そのほかの部分では、どうも曲の意図する細部が表現されていない気がするのです。




だから、これまで出会った中で一番好きな8番は、ミュンシュの指揮でした。先日実家からサルベージしたレコードの中にもこの二人の8番は入っていました。

ミュンシュの指揮は、建物に例えるなら、建築家の意図した彫刻の一つ一つをデッサンするような情感があり、そんなところがとても好みです。




しかし、3枚目のリボル・ペシェックという指揮者とチェコ・ナショナル交響楽団の演奏を聴いたとき(最初に聞きました)、過去の8番のイメージが、頭の中で完全に描きかえられるのを感じました。

このアルバムは、ドヴォルザークの没後100年記念の録音だそうです。

この音源から流れ出す量感は、指揮者による解釈や、演奏家の力量だけではない、ある重みを湛えていました。ドヴォルザークとこの曲に対する敬愛とでもいうのでしょうか。


この交響曲第8番には「イギリス」という副題がつけられていますが、これは、出版時のいざこざから最後にイギリスの出版社が引き受けたという事実のみが残されたもので、イギリスという土地と曲のテーマに関連性はありません。


どんな音楽でもそうですが、作曲家の意図したテーマを理解するには、楽譜だけではない情報も含めて、慎重に紐解くことが必要でしょう。

この明らかに違う8番の完成は、没後100年の重みを生まれながらにして受け止める覚悟で音楽に関わったチェコの楽団にゆだねられた結果ではないかと思えてなりません。


かつてマーラーの弟子だったワルターの演奏による7番が他の7番とまるで異なる質感に彩られているのと同様に、ペシェックとチェコ・ナショナル交響楽団は、ドヴォルザークへの敬愛を武器に、彼が表現を試みた音の形を、地縁を元に再現してみせたといえるのではないでしょうか。



あ、格好良く書き終えたと思ったのに、コンポから、ノラジョ(コリアンコミックバンド)が流れてきた(汗)。





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最終更新日  2010年08月25日 22時04分04秒
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