用事で淀屋橋に出た。
友人と待ち合わせをするのに、京阪電車の改札近くまで移動。ちょうど電車が着いたところらしく、人の波が押し寄せてきた。
まだ時間に余裕があったし、逆行してぶつかるのも何なんで、柱の陰でちょっと待機。大方の人が行ってしまったところで、歩き始めた。
数秒歩くと、正面からショートボブの背の高い女性が歩いてくるのに気付いた。
服装は黒いミニのワンピースに、黒いハイヒール。小さな白いフリルのエプロンをしていて、頭にもお揃いのカチューシャみたいなものをつけている。
「ウェイトレスさんか。えらい（凄く）目立つなぁ」
そう思って、そのまま歩いて行った。

ところが、だ。
近付いてくると、だんだん違和感を感じるようになったのだ。
何か変。何が変？
凝視しながら擦れ違うのを待つ。

・・・・・・・・・。

う、うわ・・・！！

思わず声を出しそうになった。
外国人なのだ。白人で、瞳はブルー。色素が薄い人種なのに、髪色だけ漆黒。あまりにもアンバランス。
いや、それだけじゃない。そんなん序の口。大したことちゃう。

な、なんと、男！！　しかも、明らかに60歳を超えてるやん！！

マジでか！？と、思わず足を止めて見送る。周囲もみんな、口を開けて見ている。
唖然とする私達を一瞥すらすることなく、コスプレ・ウェイトレスはすっかり女になりきって、颯爽と通り過ぎて行った。
な～んにも気にしてる様子なし。バレてないと思っているのか、注目されることに快感を覚えているのか・・・。
それにしても、女装だけでも目を引くのに、おじいちゃんと言われる年齢の外人なんて、キャラクターが凄すぎ！

5分ほど過ぎて、やってきた友人。
「さっきさぁ、ウェイトレスの格好した人が前から歩いてきたんやけどさ・・・」
興奮気味に話すと、ウケた友人が一言、
「写真、撮った！？」
「・・・あ」
「撮ってないん？」
「あまりにも衝撃的やったから、見送ってしもうたわ」
「あかんやん！！」
私としたことが、しくじったー！！　日記にもアップできたかもしれんのにぃ！！

しかし、大阪中心部に出ると、うちの近所じゃお目にかかれない人種に会えるよなぁ。
京阪と言えば、不倫カップルを凝視する野人の出没があったし。考えたら、学生の頃、難波の高島屋で強烈なのに会ったことがある。
都会はキャラクターに溢れてるぜぃ。