人によって美的感覚は全然違う。
後輩に「松雪泰子って、大福（餅）踏んだみたいな顔してるよな」と言うと、
「何で！？　あんな綺麗な人おらんで！！」という返事。
「えー！　どこがやねんなぁ」
「じゃあ、Nishikoちゃんが綺麗と思う人って、どんなんよ！？」
「古くは夏目雅子、他は後藤久美子、今は矢田亜希子やなぁ」
「あー・・・、正統派やね」
何となく納得されて、この会話は終わった。

そこでなんだが、職員の一人であるTさんを「美人だ」と言う人が、同僚内にも患者にもチラホラいる。残念ながら、私の美的感覚ではそうは思えない。元棋士で豊胸手術をした林葉直子が美人だと思える人は、文句なく美人だと言うだろう（そっくりなんやもん）。でも、「彼女、美人やねぇ」と言ってる人の横で「そう？」とも言えず、とりあえず頷いてはいた。

さて、6月の送別会の席でのこと。
どういう話の流れか忘れたが、誰かが「Tさん、美人だよね」と言った。因みに、Tさんは部署が違うので、飲み会には誘われていない。
すると、日本酒でいい気分になってるMさんが声を上げた。
「そぉ？　私はそう思ったことないわ！」
おお、私と同じ感覚の人がいてたんや！　変なとこ小心者の私は、その時に初めて、
「実は、私も美人と思ったことないんよねぇ・・・」と白状。
Mさんはきっと、好きな女優も私と同じ様なタイプに違いない。
そう思ってると、Mさんが続けた。
「前にいてたJさん、あの子は美人やったわ～」
「・・・え？　Jさん？」
私が不思議な顔をしていると、後輩のTちゃんが言った。
「Jさんですよ、Nishikoさんと一緒に受付してた・・・」
「はあ！？　Jちゃん！？」
いや、Jちゃんが不細工と言うんではない。妙な嗜好はあるが（知りたい方はこちら）。
顔のつくりは、ディズニーアニメとかに出てくるリスとかウサギ、あのゲッシ目を想像してもらいたい。大きくてちょっとつり目、ほっぺたが丸い。美人というより可愛い系。いや、アニメ系（フォローにならず）。
余談だが、よく「リス」と言うつもりが、間違って「リスザル」と呼んでいたものだ。

「ううむ、Jちゃんが美人かぁ・・・」
そう唸っていると、Mさんが続けた。
「うん、美人やわ、彼女は。『掃き溜めに鶴』って感じ！」
「ふうん、そんなに輝いてた・・・・・・・・ん！？」
「ん？」
「ちょっと待てぃ！！　ってことは、私らは掃き溜めのゴミかい！！」
そう言うと、「酔ってるから分かんな～い」ってな顔で、むこうを向くMさん。くっそ～。

まぁ、ええわい。孔雀って本当は綺麗なのに、普段は羽を閉じてて地味なんよねぇ。ほほほ・・・。
誰や、ケーケーうるさいところがそっくりって言う奴は！（笑）