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カテゴリ:ビジネス関連
今回は久しぶりにマジメなマーケティングのお話です。
お店を持って商売する場合、非常に大事なことの1つが商品の数(ボリューム) です。例外はありますが、少な過ぎるとお客の興味が失われてしまって来店者が 減ります。 では多ければ良いのかというと、そうでもありません。 多すぎると、今度はお客の購入する商品が分散し過ぎて売れ筋が読めなくなり、 飲食物の場合は廃棄する商品が増えます。賞味(消費)期限のない商品の場合 はムダに売り場スペースを使用することになります。 コンビニを例にあげてみましょう。 コンビニに行くと、どの店舗でも取り扱っているお弁当の種類は10種類前後 です。おにぎりなどは除きます。 これは、客の立場で言えば、 「もっと違う弁当が食べたいなぁ~」 などと思いますが、ビジネス的には、これ以上増やすと赤字になる。という計算 のもとの品揃えなのです。 品揃えを増やすと、客の購入するお弁当が確実に分散します。 そうなると、何が売れて何が売れないのか…予測しにくくなります。 つまり、仕入れが非常に難しくなります。 お弁当のように賞味期限の短い商品の場合、販売予測をミスしてしまうと、 廃棄金額が膨大になってしまって、利益が出なくなることもあります。 では、賞味(消費)期限のほとんどない商品ではどうでしょうか? 女性がコンビニに駆け込むケースで多いのが生理用品なのですが、これも 様々な商品があります。実に数100種類くらいの商品が存在すると思われ ますが、コンビニで扱っているのは、そのうちの10種類程度でしょうか。 もっとたくさんの種類を仕入れてしまうと、お弁当のケースと同様に客の 購入する商品が分散してしまい、かなりの在庫を抱えなくてはならなくなる 場合があります。 この場合は飲食物ではありませんから、廃棄しなければならないケースは ほとんどありませんが、問題になってくるのは売り場スペースです。 大型スーパーと違い、コンビニの場合は限られた売り場スペースを有効利用 する必要があります。たくさんの種類の生理用品を陳列するためには、その 分の売り場スペースを確保しなければなりません。 商品陳列の面のことをフェイスと呼んだりしますが、ある商品の陳列が1列で あれば1フェイス、2列であれば2フェイスといった具合です。 このフェイスの確保が必要になりますから、必然的に他の商品の品揃えを減少 させることになります。 まぁ、女性客の多い店舗では、他の商品を減少させることも考えられますが、 そうでない場合は、こういった商品ラインアップはまったく無意味です。 生理用品が1種類だけ、というのも問題なので10種類くらいの商品の品揃えに なるわけです。 さらに、販売する商品が分散されると、仕入れをミスして在庫量が増えるケース が発生しやすくなります。 資生堂の○○を大量に仕入れたけど、ユニチャームの△△の方がよく売れて、 ○○があまり売れなくて在庫が増えちゃった…といった感じですね。 たいていの商品は、販売促進のために半年、もしくは1年に1回程度の パッケージデザインの変更がおこなわれますので、在庫が大量にあると、 旧デザインの商品を販売しなければならなくなります。 たとえ賞味期限がなくても、古いものより新しいものを選ぶ消費者心理を考える と旧デザインの商品は安売りせざるを得なくなります。つまり損失が発生します。 よくスーパーなどで“商品入れ替えのため30%引き”などとシールがはってある 商品があるのはこのためです。ただし、飲食物の場合は別の理由もあります。 このように、商品の品揃えは多すぎても少なすぎてもダメなのです。言いかえれ ば品揃えのバランスをどうするか…売り場スペースの確保・廃棄商品の数と 消費者心理のバランスをどうするかが、店舗で商売される場合の重要なポイント の1つなのです。 飲食店の品揃えに関しては、いずもまりさんの商売繁盛~~辛口だよんを参照 してください。 ビジネスを考えた場合、この取り扱う商品のボリュームというのは成功の条件の 重要な部分を担っています。もちろん、これ以外にも広告宣伝や店舗の形態も 大事なのですが、これについては、また別の機会に。 Copyright(c)2004-2005 BUDDA1967. All Rights Reserved.
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