煌駕街道

デジタルラジオ、初日に不具合

　FMラジオ局大手のエフエム東京が1日開始した国内初のデジタルラジオ放送で、不具合が発生したことが分かった。同放送の最大の特徴であるデータ放送が複数の番組で配信されず、準備不足が露呈した。同社は今回の不具合を認めた上で、同日夜になっても「原因が分からない」と回答。今月上旬にはKDDI（au）が対応端末「W44S」（ソニー・エリクソン製）を発売予定だが、不安を残したままのスタートになりそうだ。

　デジタルラジオは、CD並みの音質に加え、放送波の一斉同報性を利用した大容量データ放送が特徴だ。音楽番組では同時にデータ放送を利用した音楽配信もできるなど利便性が高い。だが、対応端末が本格普及する前に不具合を起こしたことで、信頼回復が急務となった。

　デジタルラジオをめぐっては業界の足並みが乱れ、当初は年内とされていた本放送の免許付与も無期限延期されるなど混沌（こんとん）としている。総務省では現在、デジタルラジオを東京・大阪地区限定の実用化試験放送と位置づけている。