|
カテゴリ:センスオブワンダー
岩手の旅から帰って来て、はや1週間。
戻ってすぐに、やり残した事や行事や仕事が怒濤のように押し寄せてきてて ただいまーも言えず、なかなかここにたどり着けなかったこと、お詫び致します~。 岩手の空は広かった。 岩手大陸、というコピーもあるようですが ほんと、面積が広いだけあって移動時間の感覚がこの辺りとは違うんですよね。 「1時間」というのは近いレベル。。。そんなことも久々に思い出してました。 そして何より、 まったく自分自身だけで過ごした6日間。 そんなことって、思えばもう10年以上ぶり!というわけで… ほんとに伸びやかな瑞々しい気持ちで過ごす事ができました。 申し訳ないのだけど、子ども達のことを思い出す事も あまりなかったなー。。。ゴメンよ! 金沢から仙台まで、夜行バスに乗って8時間余り。 仙台から盛岡まで、さらに高速バスで2時間。 盛岡からさらにJRローカル線で2時間近く、 降り立った小さな駅から車で30分。。。の奥地 北上山地の最高峰、早池峰山の麓にある 川井村・タイマグラという場所が 今回の最初の目的地です。 タイマグラHPへジャン プ JR山田線の車窓にて。山際から張り出す木の枝をかきわけて汽車は進みます。 まさしく緑のトンネル抜けて行く。。。状態。 ーーーーーーー 遠野に暮らしていた頃、 私達夫婦は「早池峰の自然を考える会」「クマタカ研究会」 という団体に属して活動していました。 その会の中心となっていたのが、ここタイマグラに暮らす人たちでした。 開拓団の最後のひと家族、映画「タイマグラばあちゃん」の主人公である マサヨばあちゃんとそのご主人だけが暮らすタイマグラに 単身で入り込んで民宿「フィールドノート」を始めた奥畑さん。 そこのお客であった山代さんと結婚して、3人の子どもがいます。 そのマサヨばあちゃんの存在を映画にしたくて 東京から移り住んできた、もとNHKディレクターの澄川さんとその家族。 大手メーカーのエンジニアを辞めて動物写真家になり世界を巡った末に タイマグラに民宿を建てて、今は炭やきも営んでいる井上さん。 桶屋職人の奥畑さんの弟さんと、奥さんのちほさん。 その他に2世帯、現在は6世帯が 最後の集落から10km離れた山奥のタイマグラに暮らしています。 遠野からは高原を越える林道を通って40分程で来られるとあって 当時は、観察会やなんだかんだと言っては けっこう頻繁にタイマグラを訪れていました。 上記の皆さんは、その時にとてもお世話になった方々です。 もう5~7年ぶりくらいになるでしょうか。 近年は、映画「タイマグラばあちゃん」や 雑誌などの連載、特集などで取り上げられることも多く もはや全国区!?ということで 何か変わってしまったところもあるのかも、と思いましたが やはりタイマグラには、以前と変わらぬゆっくりした穏やかな時間が流れていたのでした。 行けども行けども山道。こんな先に人が住んでるの!?と不安に見舞われる頃 タイマグラはぽっかりと現れます。炭やきさんもいるよー。 ーーーーーー 初日にお世話になったのは、井上さんが営む山岳民宿「渓雲荘」。 野生動物をはじめ、自然科学、物理工学…など、全てにおいて精通している彼は いつも熱血講義で、この世の中の「真実」について教えてくれます。 当時も、「早池峰の自然を考える会」の会報づくりを一緒にやらせていただき 随分いろんなことを学ばせて頂いた、私の師とも呼べるお方です。 家もほとんど自分で建てたし、除雪車や薪割り機やなんでもかんでも作ってしまう。 とことん物事を突き詰めなければ気が済まない、という性格らしく 3年程前から炭焼きにのめり込み、 現在は、なんと炭から発生するガスを利用して、自家発電システムを作っているとか! 井上さんが紹介されたTV番組の案内HPへジャン プ 奥畑さんと山代さん夫婦が営む民宿「フィールドノート」は 古い家に少しだけ手を入れた、冬ともなると室内も氷点下!となる希有な宿。 でも、その不便さと向き合って 昔からの知恵を活かしつつ季節を過ごす家族の暮らしぶりが何とも素敵で 訪れる人は後を絶たない様子です。 縁側に座って畑を見ながらのんびりお茶。。。それが「フィールドノート」極上の過ごし方。 3人の子ども達も、当時はウチの息子とよく遊んでくれました。 その成長ぶりを見てビックリ!(当たり前ですが。。。) その点だけは、やっぱり過ぎた時間の大きさを感じずにいられませんでしたねー。 渓雲荘のお隣に住んでいるのが 映画「タイマグラばあちゃん」の監督である澄川さん。 数年前、福井で上映会があった時には、 わざわざ私達の家を訪ねてくれたこともありました。 とっても穏やかで優しい、そしてお茶目な方です。 新作「大きな家」をDVDで見せてくれました! タイマグラに暮らす子ども達の生き生きとした姿を追ったドキュメント。 これはぜひ、白山麓の子ども達に見せてやりたい!と思いました。 自主上映、いつか実現させたいです。 そして、最後に訪れたのは 桶屋を営むご主人と、娘さんと3人で暮らす、安倍ちほさん。 昨年、その暮らしぶりを綴ったエッセイ集が本になりました。 とても素敵な写真と、優しい文章。 彼女の独特の視点から描かれるタイマグラの暮らしは どこに暮らす人にも小さな幸せを届けてくくれる…そんな感じです。 「森の暮らし たいまぐら便り」/アノニマ・スタジオHPへジャン プ そんな素敵な人たちと、久しぶりに再会して、じっくりおしゃべりして 本当に豊かな時間を過ごせました。 タイマグラの人たちの暮らしは、いつでも私の中にある「理想」。 今の私ではとても近づけてないけれど いつかそんなふうに暮らしたい。。。と やっぱり今もそう思っているんだな、ってことを 再確認できました。 タイマグラのみなさん、本当にありがとう。 いつまでも、私の「心の隣人」であってください! 渓雲荘のおかみ?犬・「クリ」ちゃんと散歩する至福のひととき。。。 最近、クマが頻繁に出没するらしく、各家を巡る時には必ずご一緒してもらいました。 道の脇、薬師川の河畔にはブナの巨木が立ち並びます。 岩手の旅・つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|