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夜も更け、眠りに落ちて、一番心地よい時間。
ちょうど22時くらいでしょうか。 「ワワワワンワンワンワン!!!」 外の小屋に繋いである犬(カエデ)が、突然激しく吠え立てます。 同時に、家の中の土間で寝ている犬(クリ)も ウウウ~~~と唸り、矢継ぎ早に 「ワンワンワンワン!!」 寝ている我々は、一気に叩き起こされます。 前足をしっかりと踏ん張って 裏山のほうを見据えながら 犬達が対峙しているのは 最近、裏山に夜な夜な訪れるお客様、 クマです。 ヌカを食べてますね。(撮影・渓雲荘主) まだ奥山の実りもないこの季節、 タイマグラには、けっこう頻繁にクマが出没します。 一番おなかが空いている時期なのでしょう、 お目当ては、クワの実や、植えてある桃の木 生ごみが入っているコンポストなど。 どんぐりなどが実り始めるまでの間だけ、 いつものことだから・・・と聞いてはいたのですが 今年のクマの動きは、ちょっと違っているようで。 まず、2週間ほど前。 近所の家で飼われているチャボが 夜中に小屋ごと壊されて、食べられてしまいました。 そして、1週間前。 我が家のすぐ前にあるごみ集積所。 その金属製の入れ物を壊して 中のごみを引きずり出して物色し しかも、散らかしたごみの側に山盛りのウンチを!! 入れ物の前面に貼ってあるステンレスのプレートを メリメリと曲げて外す、というその執念。 ちょっと今までとは違う、ということで 我々住民の間では、要注意警報が出ていたのですが 次は、我が家の敷地内、離れの子ども部屋に行く途中辺りで 出没したのです。 犬が吠えるので主が出て行ってライトで照らしても 少しも逃げる様子がない。 どうやら、その辺りに以前捨てた油粕にご執心の様子。 裏山に出たときも、堆肥場のヌカをペロペロなめていたといいます。 場所が場所だけに、 子ども達が行き来する時に鉢合わせでもしたら大変です。 試しに、クマよけスプレー(唐辛子エキスの強力なやつ!)を吹きかけてみましたが、効き目は無い・・・。 (離れすぎてた??) もともと、標高500mのタイマグラは どう考えても、クマの領域。 人間がお邪魔してます、ってことなので ウロウロしてたって文句は言えないんですけどね。 しかも、最近は、 人間を怖がらない遺伝子を持った「新世代」のクマが出てきているとか。 もともと、ツキノワグマは、ひどく臆病な動物です。 人間を怖がっています。 人身事故が起こるのも お互い近づくまで気づかずバッタリ出会ってしまい クマが驚いて、反射的に自己防衛のために引っかいてしまう、 ということがほとんどだとか。 時々、泊まりに来たお客様に 「クマが家まで襲ってくることはないんですか??」 と聞かれることがあるのですが まずそんなことはない、とハッキリ言えると思います。 でも、北海道やカムチャッカのヒグマなどは 少し違うようです。 人間の手が加わったことで従来の自然環境を壊し、 結果、クマたちと人間の不幸な衝突を生み出している昨今。 有害駆除の対象にされて殺されていくクマ、 ある地域では絶滅してしまったという日本のツキノワグマの運命は どう考えても「不幸」としかいいようがありません。 タイマグラに来て、暮らしのすぐ側にクマの息遣いを感じるようになって その思いは、ますます強くなりました。 と同時に、同じ森に暮らすもの、として存在している 私たちのありように、ちょっと嬉しい感じもしたりして。 だからこそ、事故は決して起こしてはなりません。 これだけ近くで犬が吠えているのだから ウチのニワトリ小屋を襲うこともないでしょう。 (ご近所さんの場合、母屋から離れた畑の隅にニワトリ小屋があったのです) 一度、餌の匂いで執着してしまった場所には 何回も訪れるらしいので、 その場所に木酢液を撒いて匂いを消す。 音でびっくりさせる。 考えうるすべての知恵を駆使して (それこそが人間の役目!) 小さな工夫の積み重ねで、衝突をさけて 奥山の実りの季節を待つしかありません。 「クマが近くにいる暮らし」を選んだのは 私たちなのですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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