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カテゴリ:日本映画(2007)
PS2用の人気?ゲーム「龍が如く」の映画化作品。原作のゲームはまったくやったことがないが、忠実な映画化というよりアナザーワールド的なつくりのようだ。
監督は日本が誇る奇才、三池崇史。久しぶりに三池テイスト全力投球というノリの映画で、ストーリー的に?というところも多々あるが、結構楽しめて堪能できた。 銀座シネパトスにて鑑賞(2007/3/10)。 評価:☆☆☆ 熱帯夜の「神室町」はいつになく騒然としていた。暴力団・東城会の消えた100億円、銀行に押し入ったものの金がなく立て篭る二人組、それを近所の理髪店から監視する刑事たち、金を欲しがる彼女に引きづられて強盗を繰り返すカップル、ホストクラブに現れた謎の韓国人、Mの情報屋、超高層ビルのトップにあるクラブ・アレスにヘリコプターで訪れる永田町のドン、そして刑期を終えて10年ぶりに戻ってきた伝説の極道・桐生(北村一輝)。少女・遥(夏緒)とともに彼女の母親を探す桐生の前に狂気の極道・真島(岸谷五朗)が現れ、因縁の死闘を繰り広げながら、遥を守って桐生はつき進む……。 正直、先にも書いたように、ゲームをやっていない者には、話として意味不明な部分がかなり多い。そもそも桐生はなぜ遥と一緒にいたのか、真島はなぜ桐生との闘い・決着にこだわるのか、警視庁の伊達松重豊)はなぜ桐生に協力するのか、韓国人(コン・ユ)はなぜドンを狙うのか、カップル(塩谷瞬とサエコ)の彼女はなぜ金を欲しがるのか、遥の母親はなぜ○○にいたのか、などなど。 終始?マークが頭に浮かぶような展開で、シーンごとのつながりも分からない箇所があったりするが、各シーン・シーンで三池節が全開、味わい深くてパワーに満ちており、三池ファンには十分に楽しめるのではないだろうか。アクションシーン(桐生と真島の対決シーン)も迫力満点だったし。 真面目なヤクザ映画などを期待すると、三池映画特有のおちゃらけが所々に入ってくるので、そのあたりに拒絶反応を起こす人もいるかも知れないが、ひとつの試金石は、ラスト近くになってしまうが、栄養ドリンク?「スタミナンスパーク」を飲んで云々のシーンを馬鹿馬鹿しいと思ってしまうか、手を叩いて喜べるか、だろうか。 とくに、たぶん原作にはないと思われる銀行強盗(遠藤憲一とムロツヨシ)の話と、監視する刑事(哀川翔)と床屋の店主(タグチトモロヲ)の話が、三池らしいコミカルさで私的には大ウケだったのだが、この辺も原作ファンには賛否両論かもしれない。 岸谷五朗がノリノリの演技で大健闘、原作?とストーリーの縛りからラスト以外は演技を押さえざるをえなかった主役の北村一輝を完全に食ってしまっている。 これが映画初出演となる夏緒も可愛らしく、寂しさを内に秘めながら表面は強がって桐生についていく姿を好演していて、次作が非常に楽しみである。 また脇をさまざまな人がカメオ出演しているが、個人的には、刑事・伊達(にもっと(狂言回しとしつ)活躍してほしかった気がする。 鑑賞者を大きく選ぶ作品だと思うが(お薦め先としては、三池崇史やロバート・ロドリゲス、タランティーノのファン層等々か)、こういう群像劇風の活劇は大変好きなので、このノリで続編を希望(もちろん監督は三池崇史で)。 『龍が如く 劇場版』 【製作年】2007年、日本 【配給】東映 【監督】三池崇史 【原作】セガ(ゲーム) 【脚本】十川誠志 【音楽】遠藤浩二 【出演】北村一輝、岸谷五朗、塩谷瞬、サエコ、夏緒、加藤晴彦、高岡早紀、哀川翔、松重豊、田口トモロヲ、コン・ユ、遠藤憲一、荒川良々、真木蔵人、塩見三省 ほか 公式サイト http://www.ryu-movie.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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