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カテゴリ:日本映画(2007)
ドラえもん映画のリニューアル第2弾、『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~七人の魔法使い』を日劇PLEXにて鑑賞(2007/3/11)。
昨年の『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』よりも充分に楽しめた。 評価:☆☆☆ テストも野球も駄目なのび太は、魔法が使える世界に憧れて、「もしもボックス」を使って魔法の世界をつくってしまう。そこでは、しずかちゃん、スネ夫、ジャイアンがいて魔法を使っているが、のび太だけはおちこぼれで魔法が使えない。ある日、満月牧師とその娘の美夜子に出会い、魔界星が地球侵略を企てていることを知るが、元の現実の世界が恋しくなった二人は帰ろう。しかし、すでにママに「もしもボックス」を捨てられた後で、戻れなくなっていた。そして、接近してきた魔界星によって地震や台風などが起きはじめ、ドラえもんとのび太は……。 じつは旧作の『のび太の魔界大冒険』は未見だが(映画ドラえもんはほとんど見ているのだが)、藤子・F・不二雄氏のマンガと比べると、ドラミちゃんが助けに来ることにきちんと伏線を張っていたり、魔界の王が地球に攻める理屈付けをしていたり、細かいことでは、満月“博士”も満月“牧師”になっていたり、のび太の服が日ごとに替わっていたりと、マンガ(や映画の旧作?)にあった不自然さを補う形でリメイクされていて、そこはそれ、作家の真保裕一が脚本を書いていることと(如何なる経緯だったのだろう)、長編ではシリーズ初の若手女性監督ということにもよるのかな。 #まぁ、そもそもの設定の矛盾はそのままですけど、それは突っ込まないお約束ということで。 新たに挿入された満月美夜子と母とのくだりが、当世流行のお涙頂戴物なのが何だが、話の展開に起伏を付ける意味でまぁ許容範囲か。 映画の冒頭、いきなり降着円盤からジェットが吹き出している画だったりするのも(中心星が大きすぎるけど)、私的には好印象の要素であった。でも、(たぶん現実世界の)あの星(天体)は一体何だったのだろう……? 残念なのは、魔界星に到着してから魔界の王がすむ城(宮殿)までの道筋が大幅に省略されていて(モグラ何とかで地中を一気に進んでしまい、途中の方向を迷わせる森や人魚の歌のシーンがカットされている)、魔界の星での冒険が薄くなっているところ。尺の問題はあるが、個人的にはお涙頂戴を省いてでも、このあたりは是非とも(新たなアイディアで)描いて欲しかったなぁ(魔界[の]大冒険なんだから)。 あと、満月親子の科白が棒読みなのも、ちょっといただけない(メデューサ役の久本雅美は悪くはなかったが)。以前から書いていることの繰り返しだが、アニメ映画全般に、いい加減、(声優を本業としていない)芸能人をゲストで使うのは止めた方がよいのではなかろうか? 客寄せパンダのつもりが、客離れ効果しか生んでない気がする。 個人的には、藤子・F・不二雄氏亡き後の映画は、どうも今ひとつだったので(必ずしもオリジナルストーリーだから悪い、というわけではないのだが)、初期作品をこういう形でリメイクしてもらった方が見ていて楽しめるのだが、さて来年はどうなることやら。 劇場を出ると、映画を見終わった子供たちがあちこちで「チンカラホイ」「チンカラホイ」と魔法の呪文を唱えている光景が微笑ましく、ちょっぴり幸せな気分になった。 『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険~七人の魔法使い』 【製作年】2007年、日本 【配給】東宝 【監督】寺本幸代 【脚本】真保裕一 【作画監督】金子志津枝 【声の出演】水田わさび(ドラえもん)、大原めぐみ(のび太)、かかずゆみ(しずか)、木村昴(ジャイアン)、関智一(スネ夫)、千秋(ドラミ)、相武沙季(美夜子)、河本準一(満月牧師)、久本雅美(メデューサ) ほか 公式サイト http://dora-magic.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.03.30 12:14:09
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