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分太郎の映画日記

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2007.03.22
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 イヴ・モンタン主演のミュージカルで、フランスの才人ジャック・ドゥミ監督の最後の作品。モンタンは本人自身を演じている。
 現在開催中のフランス映画祭の特別イベント「ジャック・ドゥミ、結晶(クリスタル)の罠」にて鑑賞(2007/3/21、ユーロスペース)。

 『想い出のマルセイユ』 評価:☆☆☆

 ドゥミ監督の遺作が、彼にとって王道のミュージカルというのは、この前作が『パーキング』という(たぶん)失敗作であることをみると、結果としては幸せだったのではないかと思う(もっともっと彼の作品は見てみたかったが…)。
 私的にはイヴ・モンタンが歌って(ちょっと)踊るだけで嬉しくて仕方がないのだが、もともとドゥミとイヴ・モンタンとが一緒にミュージカル映画を作ろう企画したのは1968年に遡るという。ミュージカルが斜陽していた時代、企画はプロデューサー連に受け入れられず、結局つぶれてしまう。
 その二人の長年の夢が実現したのが『想い出のマルセイユ』だが、20年という歳月が映画の内容と重なりあって、非常に意味深である。

 ストーリーはいわゆるバックステージもので、ハリウッドを舞台にしたアメリカ映画をフランスに移植したような雰囲気。そういう点でも王道ミュージカルといえるだろう。
 映画は駅に着いたイヴ・モンタンが、取材の記者たちと歌って踊る、非常に楽しい場面から始まるが、話はだんだんシリアスに悲劇調を帯てきて、ラストのハッピーエンド?に至る。
 そのラストは、道徳的にどうよと思ったりするのだが(あらすじ参照)、三人とも罪なんか知らないという“無垢な”様子に、ああこれもおとぎ話だったんだなぁと妙に納得してしまった。

 ただ、この映画の時点でモンタンは67歳、さすがにその声に以前のような“はり”が無くなっていることや、ドゥミ監督の演出も今ひとつ冴えが感じられなかったあたりは、やはり20年前に実現していたらと、残念でならない。
 また細かいことでは、劇中劇の(リハーサルシーンではなく)本舞台の場面をもう少し観てみたかったかな。とくにイヴ・モンタンとマチルダ・メイとが一緒に歌って踊るシーンを。

 なお原題の“Trois places pour le 26”は、マリオンがモンタンにおねだりした「26日のチケット3枚」という意味。ちょっとひねりすぎか。
 それに対して、『想い出のマルセイユ』との邦題は断然よいですね。

 最近の『シカゴ』や『プロデューサーズ』、『ドリームガールズ』などの一種ハデなミュージカルを見慣れた目にはいささか物足りないかもしれないが、シャレたフランス製ミュージカルの佳作としてお薦め。


【あらすじ】(ネタバレあり)
 彼自身の半生を描いたミュージカルに主演するため、マルセイユの地に20年ぶりに帰郷したイヴ・モンタン (本人自身)。彼はこの街で育ち、ここの造船所で工員として働き、そしてミレーヌという女性と恋に落ちた。モンタンは、リハーサルのあい間をぬってミレーヌを探すが、行方はようとして知れない。
 ミュージカル俳優を夢みていたマリオン(マチルダ・メイ)は、テレビでスターの来訪を知って色めきたつが、母親のランベール男爵夫人(フランソワーズ・ファビアン)は、男爵が詐欺罪で投獄されたためか、冷ややかに娘をたしなめる。マリオンは、舞台のチケットを手に入れるために、身分を隠してモンタンを訪ねる。自分の夢を語る彼女になぜか親しさを感じたモンタンは、リハーサルを見学することを許可するのだった。
 リハーサルの際、舞台でモンタンの恋人役の女優が突然倒れた。妊娠が原因で、舞台よりも子どもを選ってパリに帰ってしまう。見学に来ていたマリオンは、代役を名乗りでる。若い演出家のトニ(パトリック・フィエリー)の賛同もあって、その日からレツスンが始まった。
 その頃、マリオンの母親は、モンタンが宿泊しているホテルに名刺を残していた。じつは彼女がミレーヌだったのだ。ミレーヌはモンタンと密かに再会すると、幸せだと思わず見栄をはってしまうが、別れ際に自分が生んだ娘はモンタンの子であることを告白した。
 数日後、昔の仕事仲間を訪ねたモンタンは、男爵一家の窮状を知らされる。同じころミレーヌは、娘からモンタンの舞台に出演することを知らされて、大いにうろたえていた。そんな母親をいぶかしむマリオン。
 そして迎えた公演当日。舞台はマリオンへの賞讚とともに大成功に終わり、彼女はモンタンと一夜をともにする。翌朝、モンタンとの何気ない会話からマリオンは、彼のかつての恋人が自分の母親であることを悟る。
 ツアーに出発するためマルセイユの駅で一行を待つモンタンの前に、マリオンがミレーヌを連れてやってきた。モンタンとミレーヌは固く抱きしめあう……。



『想い出のマルセイユ』 Trois places pour le 26

【製作年】1988年、フランス
【配給】東宝東和
【監督・脚本・台詞・挿入曲歌詞】ジャック・ドゥミ
【撮影】ジャン・パンゼル
【音楽】ミシェル・ルグラン
【出演】イヴ・モンタン、マチルダ・メイ、フランソワーズ・ファビアン、パトリック・フィエリー、カトリオナ・マコール ほか





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最終更新日  2007.04.20 10:32:26
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