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カテゴリ:外国映画(アメリカ)
博物館の展示物が動き出して大騒ぎする物語。ミラン・トレンクの絵本『夜の博物館』の映画化だが、原作とはかなり違っているようだ。
ワーナーマイカル・シネマズ板橋にて鑑賞。 『ナイト ミュージアム』 評価:☆☆☆☆☆ 子どものころに博物館を訪れたことのある人ならば、誰もが「この展示物が動き出したら……」と思ったことがあるであろう。まさに、その“夢”を映像化した作品だ。 夢はあるが定職のない主人公ラリーは、一念発起して探した就職先が、アメリカ自然史博物館の夜間警備員。来館者が帰り、博物館にたった一人で残された彼の目の前で、すべての標本、蝋人形、ミニチュアたちが動き始める……。 正直なところ、ショーン・レヴィ監督の(日本公開上の)前作『ピンクパンサー』は今ひとつだったので、一抹の不安を感じていたのだが、いやこれはファミリームービーの大傑作でした。よき原作と脚本、そしてよき役者が揃えば、しっかりした演出ができる人だったのね。 予告編からは『ジュマンジ』や『ザスーラ』と同じような作品の印象だったのだが、両作品がCG倒れしていて今ひとつだったのに比べて、本作では、必要なところではCGは使うけれども、決してそれに頼らないという姿勢が、きちんとしたドラマづくりの元になっていて、成功した秘訣なのだと思う。 主演のベン・スティラーは『メリーに首ったけ』からのファンなので、公開作品はだいたい劇場に観に行っている。アメリカでの人気とは打って変わって、いずれも日本ではパッとしない(というより興業的にはコケけている)のは不思議な気もするが、寅さん亡き後、日本ではコメディ映画全体が沈没しかけているので、仕方のないところか。そういえばアダム・サンドラーはもっと不人気だな。 その意味で、彼の主演作として日本初の大ヒット作となったのは、非常に嬉しいことだ。 父親と息子の絆を中心軸に置きながら、主人公の成長物語にもなっており、また淡い恋愛話や泥棒、民族?間の諍いなど、バラエティ豊かな内容を上手くまとめ上げ、また雇用問題などのスパイスもピリリと効かせた脚本は見事だ。 強いて問題点をあげれば、ある人も書いていたが、ラストの追跡劇。 逃げる方は例のものを持っているのだから、それをちょっと操作すれば、追う側は追跡できなくなってしまう。そこのところに、ちょっとした工夫が欲しかった。まぁ逃げる側の智恵が足りない、と言ってしまえばそれまでなんですが。 ベンの盟友オーウェン・ウィルソンがノンクレジット出演していたが(カウボーイたちのリーダーね)、ノーギャラでの友情出演、と言うことだったのだろうか。 あと不勉強にも私はサカジャウィア(ネィティブアメリカンのガイドの女性)という女性について、初めて知った。そういう点で勉強にもなる映画でもあった。 字幕版で鑑賞したのだが、吹き替え版の方が楽しめたのかも知れない。 私が戸田奈津子字幕が好きでないこともあるが、やはり字幕だとセリフの情報量が圧倒的に少なく、かなり抜け落ちがあるように思った。私に英語のヒアリング能力があれば、字幕でも問題ないのですけどね。 できれば劇場公開している間に、吹き替え版を見てみたいのだが(やはり大画面で見ないとね)、ほとんどが日中なので、ちょっと無理かな。 日本の博物館を舞台にしたら面白そうとも思ったが、たとえば東京・上野だと、動物などの自然史系は国立科学博物館、歴史上の人物などは東京国立博物館とに分かれてしまっているので、地方の博物館の方がよいかな(って具体例は浮かばない……)。 いろいろと想像の幅が拡がるという点でも、良い映画だった。 万人にお薦めです。 『ナイト ミュージアム』 Night at the Museum 【製作年】2006年、アメリカ 【製作】ショーン・レヴィ、クリス・コロンバス、マイケル・バーナサン 【配給】20世紀フォックス映画 【監督】ショーン・レヴィ 【原作】ミラン・トレンク 【脚本】ロバート・ベン・ガラント、トーマス・レノン 【撮影】ギレルモ・ナヴァロ 【音楽】アラン・シルヴェストリ 【出演】ベン・スティラー、ロビン・ウィリアムズ、カーラ・グギーノ、ディック・ヴァン・ダイク、ミッキー・ルーニー、ビル・コッブス、ジェイク・チェリー、ミズオ・ペック、スティーヴ・クーガン、オーウェン・ウィルソン ほか 公式サイト http://movies.foxjapan.com/nightmuseum/ アメリカ自然史博物館 http://www.amnh.org/
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