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カテゴリ:外国映画(アメリカ)
レオナルド・ディカプリオ主演による、アフリカ・シエラレオネ紛争を背景にしたダイヤモンドをめぐる骨太のドラマ。
ワーナーマイカル・シネマズ板橋にて公開初日に鑑賞。 『ブラッド・ダイヤモンド』 評価:☆☆☆☆
そもそもシエラレオネといわれても、昔に高校の地理B(と書くと世代が分かってしまう)で習った記憶はあるが、場所がまったく浮かんでこなかった(パンフレットを見てようやく分かった)。 どうも私はレオナルド・ディカプリオとは相性が悪いようで、今までの出演作であまり良いと思ったことがなかったりする(と書くと嵐のような批難を受けそうな気が……)。しかし、この映画での彼は、非常に良かった。 童顔を無精髭で隠し、少し小太り体形にして、自堕落な元傭兵の雰囲気がよく出ていたと思う(実際に本当の傭兵に出会ったことはないが)。 演技的にも『ディパーテッド』よりも遙かに良かったと思う(映画的にもこちらの方が断然良いと思うのだが、どうだろう)。 クライマックス部分とその後は、ちょっと長く引っ張りすぎた感じはあったのだが(余韻を持たせすぎというか)、彼の好演がそこをうまくカバーしていたのは印象的であった。ちょっとうるうると来てしまったし。 このまま、役者として思いっきり伸びていって欲しいなぁ(って偉そうだな>自分)。 脚本的には、「自由」「家族」「真実」の三者三様の立場からダイヤモンドに迫っていくという着眼点は面白くはあるが、話の展開がやや類型的な感じで、とくに女性ジャーナリストの描き方に説得力が感じられなかったのが残念(まぁ私が「真実を追究することに命をかける」と宣う人の存在を基本的に信用していないというか嘘くさいと感じてしまうこともあるが)。ジェニファー・コネリーは(たぶん)ノーメイクの体当たり演技で悪くはなかったのだが。 また、全体的にキャラクター設定がステレオタイプな感じがするのも、ちょっとマイナスな気がする。 しかし、この映画の一番のポイントは、いわゆる純粋なハリウッド映画──美男美女コンビを中心に、傭兵組織を配したり、派手?な戦闘シーンやアクションをふんだんに盛り込むという、ハリウッド的なエンタテインメント映画でありながら、アフリカが抱えているリアルで悲惨な問題を浮き彫りにしていることだろう。 その映像描写は圧倒的だし、役者たちの演技が素晴らしい。 個人的には、洗脳されて非常な戦闘員と化していく少年の姿が非常に印象的だったのだが、実際に今でもアフリカで強制的に兵士にさせられる少年の数は数十万にのぼるというのは驚きだ。 そのシエラレオネで起きた内戦の実際をリアルに描き、先進諸国の消費文化が背景となって起こっている現在のアフリカのさまざまな問題を考えさせてくれる作品として、この映画は傑作だと思う。 『ブラッド・ダイヤモンド』 BLOOD DIAMOND 【製作年】2006年、アメリカ 【配給】ワーナー・ブラザーズ映画 【監督】エドワード・ズウィック 【原案】チャールズ・レビット、C.ゲイビー・ミッチェル 【脚本】チャールズ・レビット 【撮影】エドゥアルド・セラ、A.S.C.、A.F.C. 【音楽】ジェイムズ・ニュートン・ハワード 【出演】レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー、カギソ・クイパーズ、アーノルド・ボスロー ほか 公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/blooddiamond/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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