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テーマ:最近観た映画。(40103)
カテゴリ:日本映画(2007)
今注目の若手女優、成海璃子の主演最新作で、共演は、アイドルグループ「AKB48」の前田敦子。真戸香の原作小説をもとに、名匠・市川準監督が思春期の揺れ動く少女たちを瑞々しく描きだした傑作。
東京・池袋のシネ・リーブル池袋にて公開2日目に鑑賞。 『あしたの私のつくり方』 評価:☆☆☆☆ 【あらすじ】(公式サイト掲載の文章を一部改変) いやはや、恐るべし成海璃子。彼女の演技力は圧倒的ですね。 『神童』もすごかったが、あちらは設定上の役柄そのものが天才ピアニスト少女であったので、“天才”に見えるか否かが結構ポイントだったりして、その分、演技の評価に割を食っていたように感じるが、本作のように等身大の役柄だと、その凄さは一目瞭然(いや撮影時に14歳で高校生役だから等身大ではないか)。彼女を観るためだけでも、この映画を鑑賞する価値はあると思う。 もっとも、周囲を気にしてバランスを取るあまりに自分を見失ってしまう主人公は、もしかしたら(幼くして)映画/TVドラマ業界に飛び込んで本来の自分のあり方を模索している彼女自身なのかもしれない。 容貌自体は好みのタイプではないが、惚れてしまったかも知れない。 今後の飛躍が大いに期待できる(数少ない?)女優だと思う。今のうちはびしびししごく監督の存在自体、最近減ってきたような印象はあるが)に付いて、さらにその演技力を高めていって欲しい。 近々公開される『きみにしか聞こえない』も、ストーリーはともかく(って失礼かな)期待度は大。 もう一人の主人公とも言うべき前田敦子は、秋元康が手掛けるアイドルグループ「AKB48」のメンバー、らしい。私はこのグループの存在自体、知らなかった……^^;。 映画初出演ながら、思いつめた表情など印象的で、良かったと思う。ただ、演技力は相手役が相手だけに、今ひとつの印象は否めなかった、かな(ファンの方、ごめんなさい)。 とくに、クライマックスの二人が会話を延々と交わす場面など、成海璃子と並んでしまうと、その力量の差がはっきりしすぎていて、ちょっと可哀想な感じもした。まぁ監督的には、あえてその素人っぽさを出して、二人を対照させたかったのだろうし、そういう意味では、ありのままの“普通の高校生”らしくて、良かったとも思う。 女優としての将来性は、未知数、とだけ書いておこう。 役者としては、成海璃子の両親役の石原良純と石原真理子。これがなかなかどうして見事にはまっていました。この二人が日常的に喧嘩していたら、そりゃ子どもは顔色を伺うような性格になるわなぁ。 話的には、昔からあった(であろう)「いじめ」の問題、自分自身のアイデンティティの確立など、ありふれたテーマではある。 それを、今時の中学生・高校生にとって無くてはならない必携のアイテム──携帯電話というコミュニケーション・ツールで表現しているあたりが、斬新さであろうか。多くの中年以上にとっては、携帯は用事があって使用するものであって、コミュニケーション手段にはなりきってはいないと思う(少なくとも私には)。 文字を画面に見せる手法は、10年以上前にパソコン通信による男女の交流を描いた森田芳光監督『(ハル)』あたりが先駆けと思うが、本作でも割と効果的に使われていたように思う。 ただ、クライマックスの携帯のTV電話は、(おじさん世代には)ちとやり過ぎの感じはした。小中高校生ではこれが当たり前なのだろうか?(この辺に世代のギャップがあるのかもしれない) あと、全体的に、携帯の使い方──無意味に機種をアップで映していたり等──が、NTT DoCoMoの宣伝番組のようで、大いに難点(なので☆一つマイナス)。まぁ監督が、TVCM監督として名を馳せてきた市川準ということもあるだろうが……。 全体の筋には直接には関係しないが、一つ気になったのは、マスゲーム「涼月譜」の全体像がまったく見えなかったこと。 学校側は、これを行うことで一体何を表現しようとしていたのだろうか? あと、たぶん撮影したはずなので、DVDの特典か何かで観てみたいな。 ということで、とくに清酒映画が好きな方には、機会があれば是非鑑賞をお薦めする。 『あしたの私のつくり方』 【製作年】2007年、日本 【配給】日活 【監督】市川準 【原作】真戸香 【脚本】細谷まどか 【撮影】三條知生 【音楽】佐々木友理 【出演】成海璃子、前田敦子、石原真理子、石原良純、高岡蒼甫、近藤芳正、奥貫薫、田口トモロヲ ほか 公式サイト http://watatsuku.goo.ne.jp/
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最終更新日
2007.05.24 13:43:26
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