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カテゴリ:外国映画(アメリカ)
『ミリオンダラー・ベイビー』『ボーイズ・ドント・クライ』で2度のアカデミー主演女優賞に輝くヒラリー・スワンクの主演による、ホラー or/and スリラー or/and ミステリー映画。
本当に久しぶりに池袋東急にて鑑賞。 『リーピング』 評価:☆☆ 旧約聖書に造詣が深かったりキリスト教の信者の方だとまた、映画の捉え方が違うかもしれない。 と予め断った上で、“十の災い”と聞いて、そういうのもあったなくらいにしか思い浮かばない私的には、あまり怖くもなく、どんでん返しも先読み出来てしまって、今ひとつな出来であった。 カエルが降ってきても、まぁビックリはするだろうが、何が災い・恐怖なのか、まったく分からなかったし(様々な要因が重なれば生物が大発生するのは、よくあることだ)、演出的にも観客を脅えさせるには迫力不足に感じた。 いや確かに映像自体は、結構迫力ある場面が多かったのは事実だが、宣伝にある「ホラー史上最強の“怪奇現象”」までいうと、ちょっと誇大広告くさいかな。 “十の災い”をホラー的に扱い、そこに少女の正体という謎とき要素をプラスした、というのがたぶんこの映画の特徴だと思うが、いずれも中途半端な気がする。 先にも書いたように、クライマックスの謎が明かされる場面は、ミステリー好きであればすぐに解ってしまうだろうし、ラストも途中で想像がついてしまって、サプライズがなかったのが残念。 まぁこれは受け手の問題かもしれないが、もう少し工夫が欲しかった。 何より一番残念なのは、せっかく、九死に一生を得て奇跡を信じていながら、その奇跡を確認するために科学的調査に従事するという、ベンという魅力的な人物を同僚・部下に設けたのに、その設定を活かしたドラマ作りになっていないということ。クライマックスは、もう一つベンに何かがあればまだしもだが……。 ベンを媒介に科学と宗教の相剋を、もっともっと突き詰めて描いてほしかったなぁ。 と、けなしてばかりいるのも何だが、主人公のヒラリー・スワンクは確かに上手い役者だとは思う。 ただ、如何せん、主人公は状況に押し流されるだけなので、演技力が発揮されていたとは言い難い。 ということで、私のようにできるだけホラー映画をスクリーンで見たいという人以外には、ちょっと薦めがたいところかな。 【あらすじ】 大学教授のキャサリンは、かつて聖職者としてスーダンで布教活動をしていたとき、夫と娘が日照りの生け贄として惨殺されてしまい、信仰を捨てた。以来、奇跡とされる現象を科学的に解き明かす第一人者となった。 そんな彼女の元に、ヘイブンという町の教師ダグが訪れてきて、「川の水が血に変わった」現象を調べてほしいと依頼する。そして、一人の少女が町中に忌み嫌われていて、危険だという。 キャサリンは、相棒のベンとともにヘイブンに向い、“血の川”を調べはじめる。彼女が川岸で少女ローレンを見掛けたとき、突然、樹上から大量のカエルが降ってきた。その夜、ダグの家でバーベキューをすると、いきなりブヨと蛆が肉に大発生する……。 科学的には説明できないような現象が次々に起こる。これらは、旧約聖書に記された“十の災い”なのだろうか。町の人々の恐怖と疑惑は謎めいた少女ローレンに向けられるが、キャサリンには亡くした娘が少女に重なり、哀れな子どもにしか映らなかった。 そして、人々の怒りが爆発するが……。 『リーピング』 THE REAPING 【製作年】2006年、アメリカ 【配給】ワーナー・ブラザース映画 【製作】ジョエル・シルバー、ロバート・ゼメキス、ほか 【監督】スティーブン・ホプキンス 【原案】ブライアン・ラウソ 【脚本】ケイリー・W・ヘイズ、チャド・ヘイズ 【撮影】ピーター・レビィー、A.C.S.、A.S.C. 【音楽】ジョン・フリッゼル 【出演】ヒラリー・スワンク(キャサリン)、デイビッド・モリッシー(ダグ)、アイドリス・エルバ(ベン)、アナソフィア・ロブ(ローレン)、 スティーブン・レイ(コスティガン神父) ほか 公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/thereaping/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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