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カテゴリ:私の居場所 番外編
5.<土とモンスター>
「さ、寒い」 急に寒気がして、ユナは身震いした。 あ、れ 息ができる。 あたし、生きてるの・・・? 「勝ったな。」 クロノスのこえがする... 「ユナ、見ろ」 再び固く瞑っていた目を開くと、土(まるまじろ?)が氷で固まり、その動きを 止めていた。 「た、たすかった・・・」 ユナはその場にへなへなと座りこんだ。 土は、ユナ達の頭のすぐ上で固まっていた。 もう少し遅かったら... あたし達は土に埋もれ、息絶えていたに違いない。 そう考えるとぞっとした。 それにしても、二つの魔法を同時に詠む事ができるなんて...! ユナは確実に力をつけている隣の魔法使いを見やった。 「ユナ、こいつまるまじろじゃないな。」 「え?」 「爪がない。」 そういえば村の住人達は皆、鋭い爪で身体を引き裂かれていた。 今襲ってきたモンスターは、爪どころか頭と身体の区別もなく、土そのものであった。 氷の塊の先を見ると、洞窟はまだ続いていた。 この奥に、まるまじろがいるかもしれない。 「ユナ、ポーションくれ。」 「うん!」 ユナは鞄からポーションを取り出すと、クロノスに渡した。 クロノスはそれを一気に飲み干すと、顔色が少しよくなったように見えた。 クロノスは再び杖に火を灯し、それを前に向けてかざし、先を見据えた。 「さ、行くぞ。」 洞窟に、クロノスの声が反響する。 まるまじろも、侵入者が来た事に気付いているかもしれない。 「あ、待って~!」 ユナはうにさんのコートの端を掴んだ。 ユナ達は洞窟の奥を目指し、再び歩き出した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.24 19:59:45
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