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2010.08.04
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カテゴリ:カテゴリ未分類
6<見慣れた風景>

エデンはノートパソコンから目を放し、空を見た。
見慣れた部屋の天井が広がっている。

今やってるオンラインゲームは、ゲーム中に自分が扱っているキャラクターが死
ぬような事があれば、セーブした所からやり直しがきくようになっている。
だが、死ぬ度にキャラクターのレベルが下がる仕組みになっている。
その為、プレイヤーはゲームのキャラクターが死ぬ事を恐れている。
能力が大幅に下がってしまうのだ。

エデンは窓の外を見た。
新聞配達員が近所の家に新聞を配る姿が見える。

「もう朝なの」

エデンはぼんやりと呟いた。
オンラインゲームにはまって以来、昼夜逆転してしまった。
特に仕事もしていないし、親に養ってもらっている身分だし、一日中パソコンに
向かう生活にももう慣れた。

エデンには妹がいる。
妹は生まれつき病弱で、入退院を繰り返しており、母は何かと妹に付き添う事が多かった。
エデンはお姉ちゃんだから我慢しなさいと、言われながら育ってきた。
お母さんに、もっとかまってほしくて仕方なかった。

お父さんはいない。
いつも、家でお留守番。
一人で何度も泣いた。こんな環境のせいで、エデンは人に素直な感情を表せない大人になっていった。
よく、他人からはしっかりしてるねって言われてきた。
だけど裏では、冷たい人間って言われていたのも知ってたし、
いろんな人から苦手意識を持たれているのもわかっていた。
口を開けば、嫌みばかり言ってしまう。

人と深く付き合った事なんてない。

だけど本当は、いつだって寂しかった。

今日も、いつもと変わらない一日が始まる。
エデンは部屋にある冷蔵庫からジュースが入ったペットボトルを取り出すとそれを一気に飲み干し、
再びノートパソコンにむかった。






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Last updated  2010.08.04 19:33:59
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