私の居場所 番外編7
7,まじろ村に戻ったユナ達に、村人達の埋葬をようやく終えた村長がその姿に気付き、駆け寄ってきた。「おお!!お主ら無事だったか!」村長は笑顔で迎えてくれたのだが、クロノスの姿を見て、顔が強張った。「ケガしたのか!?大丈夫か?!」クロノスは全身血まみれだった。大量の血を浴び、それを吸収できなかったコートから、今もまだ血が滴り落ちていた。「ああ、これはまるまじろのだ。」それを聞き、村長の顔がぱあっと輝いた。「奴を倒したのか?!」「ああ。まるまじろは死んだ。」「お、おお...!!」村長は、クロノスの両手を握ると涙を流した。「これで村人達も報われる!!ありがとう、ありがとう!」ユナ達は、村長から報酬を貰い、村人達のお墓ひとつひとつにお参りすると、まじろ村を後にした。「ユナ、もう遅いし今夜は宿に泊まるか。」「うん!」まじろ村の隣の村は、歩いて行ける距離にあって、ここからはそう遠くない。隣町までの道は、一本になっており、通路の周りには木が覆い茂っている。夜風が気持ちよく、ユナは歩きながら目を閉じた。「あたし、幸せかも~」「ん?」「なんでもないw」「そか?俺、今回かっこよかったな。」「も~自分でゆってる~!!」「村が見えて来たぞ。」「あ、待って~!」急に早足になったクロノスを後ろから追いかけながら、ユナはクロノスに聞こえないように呟いた。「クロノス好き。」この広い背中を、いつまでもいつまでも追いかけていこう。ユナは心の中でそう思った。