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テーマ:仕事しごとシゴト(23633)
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約2ヶ月にも及ぶ研修が無事終わった。 お盆を境に電車通学から マイカー通学に変えてからは、 電車を待つあの無駄な時間やら 電車の時間に合わせて行動しなければならない制限がなくなって 自分の時間がわりととれた気がして 少し気持ちに余裕ができてきた。 さて、この研修で得たものは何かと考えると… やはり多くの『友人たち』じゃないかなぁ…と思う。 長い研修となるとさすがにまるっきり単独行動というわけにはいかず、 いろんなグループが自然と出来上がってきて、そのうちのどこかに所属してしまうものだ。 たいてい、グループのどれかは問題児が固まっていて、 講義中に落ち着きがなかったり、目立つリーダー的存在の人がいる。 今回の研修はその目立つグループがわたしの所属していた『精神科ナースグループ』であったことはおそらく間違っていない。 この彼女たちがなかなかに面白い個性の持ち主で、 かなり気質も荒かったりするのだが、自分の意見をしっかり持っているところが ちょっと凹んでたわたしの気持ちにHITしたわけだ。 血液内科というやや暗雲立ち込めた病棟からきたわたしは、 彼女たちの能天気な話題に引き込きずり込まれていったのだ。 果ては『精神科病院に勤務したい』と考えるようになったほどだ。 つい昨日まで真剣に今の病院を退職して精神科病院に行こうと考えていたが、 今日、病院に研修終了の挨拶にいったついでに気になる患者さんの部屋を覗きに行って 患者さんたちが『ようやく終わったか~、待ってたぞ!!』と声をかけてくれたとき、 『あぁ…まだ必要としてくれてる人がいるのか…』なんて少し嬉しく思いつつ、軽く落胆した気になった。 結局、わたしはここで指導者として働かなければならない使命感から 退職は一旦横においておくことにした。 この患者さんたちが治療に満足してもらえて、気持ちのいいケアを受けてもらうためには 変えなければならないことが山積している。 それらの基礎をある程度作っておかなければ まだわたしはここを動けないのだ。 わたしが研修に行っている2ヶ月の間に、 付き合いの長い友人のような患者さんを二人もなくした。 わたしは彼らの苦しみを感じることもなく、最期を見届けることもなかったが、 彼らは『あの子、ちゃんと研修受けてるのかな。サボってないかな』と わたしのことを気にかけてくれていた。 その間、知らなかったとはいえ わたしは笑い転げたり寝こけていたりして過ごしていたのだ。 考えると胸が痛くなり、もっと見に行けばよかった…と反省ばかりしている。 ある部分でわたしは、その場から離れたかったのかも知れない。 逃げられる時間だけ逃げたかったのだと思う。 研修に行っていても 時々患者さんのことを思い出しては考え込んでいるわたしを見て (意図的ではなかったかもしれないが)常に仲間に入れてくれて、楽しい場に連れ出してくれたのが『精神科グループ』の彼女たちだった。 彼女たちといるとくだらないことでも腹の底から笑えた。 そんな時間を一緒に過ごせたことは幸せだと思えるし、 その時間はわたしにとって一生の宝でもある。 研修最後の日、彼女たちと一緒に打ち上げ会をした。 たくさんの料理をみんなで分けながら、みんないつもと同じように笑って話した。 またこれからも定期的に同窓会をしようと言いながら もしかしたらこれを最後に会えない人もいるかもしれない…という気持ちは隠せなかった。 おそらくみんな同じ気持ちでいたのだろう。 帰り際、グループの中でいちばん若くてギャル系のわりには礼儀正しい彼女が言った。 『みんないつもどおり別れましょう。』 彼女は若いがなかなか周囲を良く見ている。 会の終盤が近づくにつれ沈みはじめたみんなの様子を気にしていたのだ。 『そうだね、また会うしね。じゃ~また!!』 そういって一本の道から1台、また1台とウィンカーを出して散らばっていくメンバーの車を 最後まで見ながら、リーダーの車の後をわたしは走っていた。 最後、リーダーがハザードを出してわたしの車から離れた。 明日から一人なんだ…とそのときしみじみ感じた。 3日間休みをもらって徐々に仕事に復帰する気分を高めつつある今日、 PCの前に置いてあるみんなで撮った写真を眺めて引き出しにしまった。 大人になってからはなかなか友人はできるものじゃない。 そして同じ環境じゃないとそう会えるものでもない。 それでもわたしはいい友人を作れたと思う。 研修で何を学んだ…というのは説明しにくいが、 『いい時間をみんなと共有できた』というのがわたしの感想だろうか。 長い間 論文しか書いてないため堅い文章しか書けなくなっているが そのうちまた元に戻るだろう。 堅い文章が書けるうちに病院用のレポートも書かなきゃな…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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