|
テーマ:ξバイク好きの交流所ξ(733)
カテゴリ:バイク
最終日は夜半からザザザーッと雨が降っていた。 朝日が見たくて 前の日からバイクを借りたままにしていたし 目覚ましで起きた時点では 雨は止んでた。
朝6時20分、南国の遅い日の出まで まだ20分ある。 民宿をそぉーっと抜けて、 曇り空の中 ダメもとで走り出す。
西崎の手前にあるテキサスゲートも難なく超え (テキサスゲート:道路にいきなり鉄製のかなり大きなスノコ状の溝があるの。 島中に放牧されている牛が集落に入ってこないように設置されてるんです) 快調に南牧場線を走っていると 雲行きが怪しくなってきた・・・ 夜明けのはずなのに 明るくなるどころか。。。 むしろ暗くなってきてない?! 心なしか 雨も強く降ってきてるしさぁ・・・。
ひとっこ一人見当たらないまっすぐな道。 目の前には暗雲立ちこめ、すぐ右手には読んで字の如く 断崖絶壁。 ぶち当たる荒波の音がメット越しに聞こえる。 はっきり言おう。 心細い。
うーーーん。 これは どう考えてもご来光は無理。 せっかくやのにな~~、ざんねんやわー。 どっかで引き返さな。。。 そや、あの坂の上まで行ったら帰ろう。。。 などと ウダウダ考えつつ走ってたら・・・!
突然 蒼く、暗~い道の先に 黒い塊の何かが現れたのだ!! それも、道幅いっぱいに。。。ワラワラと・・・!
血の気が本当に引いた。 すこしして、それが牛たちだとわかった。 でも、怖いの。すーーーーっごく。 昼間見る、牧歌的な雰囲気は微塵も感じられず 背中をとがらせながら迫ってくる様はケモノ。 それもフォーメーション組んでるし・・・泣!
即効でUターンした。 昨日、原付に人生始めて乗ったばかりというのに 左足を基点としたすばやく鋭角に切れ上がったターンだ。 なんでこれが自分のバイクじゃ出来ないのか? 一瞬悔しくなったが、今はそんなことどうでもいい! とにかく逃げなきゃ! 生きて帰らなきゃ!!
背中を見せると かかってくるかもー! (牛さんはそんなことありません) このままバイクが制御不能になって海に落ちちゃうかもーー!! 白み始めてもなお薄暗い道を凝視しながら 泣きそうだった。 メットが大きすぎて風をはらんで首が絞まる。
ほうほうの体、というか びしょぬれの哀れな状態でようやく宿に帰還。 宿の人たちが働き始めているのを見てホッとする。 とにかく寒かったので、部屋に戻ってもういちど布団に入った。。。
なんか狐に包まれたような体験だった。 いや 狐じゃなくて牛さんか・・・。 もうあんな神業Uターンは出来ないと思う。
(与那国編、おわり!)
「 S 」
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[バイク] カテゴリの最新記事
|