薬草酒・薬草茶
以前からわりと植物が好きで、島に帰ってからは野山に分け入るのが、とても楽しみでした。本土では見かけない植物や園芸店で売っている植物が、ここでは道端やちょっとした藪の中に自生しているのですから。 埼玉に住んでいる時も、時々河原や野原でタンポポやハコベやツクシンボなどを、摘んできておひたしにしたり,公園のつつじの花を摘んで天ぷらにしたりしていましたのよ。 久米は四季が同時に混在しているような島で、いろいろな草花が季節を問わず咲いています。 小さい頃から見かけた風景だったはずですが、大人になって改めて島を見たとき、この島の植物形態がとても不思議で奇異で新鮮に移ったのものです。 友人の勧めでカメラを買ったときから、「面白いもの」探して歩くのが好きになりました。シロバナセンダングサの花の変色を見つけたり、斑入り葉を探したり、消えてしまった植物を探したりと、植物にかかわる事に楽しみを見つけていました。 そんなわけで何かと摘んできた野草を、酒に漬けるようになりましたの。カフェ花龍の前身は実は「スナック」でしたので、酒はキープ切れで流れてしまう「処分酒」が結構ありましたから。いつのまにか自然に薬草酒が増えていったのです。 カフェ花龍を始めるとき、この薬草酒は是非メインに入れたいと思っていたのですが、何しろ喫茶店ですので、酒をと言うわけにもいかず、同じように興味を持っていた薬草茶にいたしました。 薬草の不思議な味わいは、お茶でもお酒でも充分に堪能できます。特にお茶は身体が洗われるようなすっきり感を感じさせてくれますし、それぞれに特徴のある自然の味を私たちに教えてくれているような気がします。 ですが、たまに「薬草酒もいかが?」と地味に隠し持っているお酒をお薦めしたくもなるのですよ。