今日は、録りためたTV番組やDVDの映画を見たりして、久しぶりにのんびりとした一日を過ごすことができました。 ここのところ、復刊書の刊行に向けての手続き、連日の責了作業で根を詰める日が続いてバテ気味だったので、やっとエネルギーの充電ができてよかったです。
復刊書というのは、すでに多くの方がご存じのように、昔に発売された本で、発売当時はそれなりの話題や売上げ部数を誇っていたものの、次第に部数が伸び悩んで重版 (増し刷り) が難しくなり、その後、品切れに至ってしまった本を、装丁を変えたり (場合によっては、組み直しもして) 新たに刊行した書、というものです。
一度に何千、何万部と刷るのではなく、1冊単位で印刷・製本ができるオンデマンド印刷・製本が可能となってから、従来の印刷・製本では採算が難しくて出版を断念していた本を復刊する出版社が増えてきました。どの本を復刊するかということについては、読者の方々から寄せられる復刊のリクエストや営業部が過去の販売動向に基づいて選び出す、というのが一般的なのではないかと思います。
復刊する本が決まると、まず最初に、その本の著者 (相当に古い本もあるので、すでに著者の方が亡くなられている場合も多く、そのときには著作権の継承者) に復刊に関する許可願い書をお送りします。
著者がお一人の場合には復刊の可否のご返事も比較的スムーズに得ることができるのですが、著者が複数名の本になると許可願い書をお送りする先も多くなり、また、お一人でも同意頂けない場合には復刊を断念せざるをえないこともあって、復刊にはハードルもあります。私自身の経験では、 著者の方々が復刊に同意できない理由として一番多く挙げて下さるものは、 いまと比べると内容 (記述) が古くなっているために、読者の方々に誤解を与えかねない、というものです。
「若いときに読んだ、あの本をもう一度」 という思いを持つご年配の方、「当時の本を見たことはないけれど、うわさを聞いて」 など、リクエストを下さる読者の方々は内容的な古さは問わないことがほとんどなのですが、その本に対する著者の思いもあり、難しいところです。
今後は、復刊もオンデマンドから電子書籍へという方向に次第にシフトしてくると思いますが、最初から電子書籍で刊行した場合には品切れになるということもなくなるでしょうから、未来には復刊書という言い方も消えてしまうのかもしれません。