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カテゴリ:海外生活
先日の日記で、私の友人が太りすぎを解消するために胃を切除する手術を受けた話をしたが、こないだDiscovery Channelで、ある病気と戦う子供達のドキュメンタリーを放送していたのでちょっと興味があって見てみた。 その病気とはプラダー・ウィリー症候群(Prader-Willi Syndrome)と呼ばれるもので、遺伝子の異常が原因で脳の食欲をコントロールする部位がうまく機能せず、満腹になったという指令を出すことが出来ないために、食べても食べてもいつもお腹が空いているという病気だ。 食べても食べても5分もすると耐え難い空腹感に襲われるらしい。 でも病気のことを知らない周囲の人々からは単に節制の無い食いしん坊の子供だと思われたり、町を歩いていても「うわっ、見て、あの子!すんごいデブ!」と心無い言葉を聞こえよがしに浴びせられる事も多いという。 本人も大変だがその家族も大変で、子供が食べ物にアクセス出来ないように台所の棚や冷蔵庫に鍵をかけていた。 また親は子供に食事制限のために特別な食事を与えるが、他の家族の(普通の)食事を見てしまうと子供は特別な食事だけでは我慢できなくなってしまうので、かわいそうだけど、家族と一緒に食事をとらせないようにしていた。 それでもどんどん太っていく病気の子供達のなかには、寝る時に酸素マスクを付けて寝る子供までいた。そうしないと寝ている間に死んでしまう危険性があるからだ。 太りすぎて寝ている間に気道がふさがってしまい、呼吸困難で死んでしまう例が年間何例か報告されているのだそうだ。 また、常に極度の空腹感にさいなまれているために注意力散漫で、イライラしがちで、学校でもトラブルが絶えず、退学させれてしまう子供も多いという。 そんな子供達は同じ病気を抱えた子供を扱った経験のある特別な学校や、体重を落とすための特別な施設に入れられたりする。 そんな病気があることは、この番組を見るまで知らなかった。 日本にいた頃、アメリカで太りすぎて家から出られなくなった人を壁をぶち壊して救出したなんていうニュースをたまにテレビで見る事があったが、その時は「ホント、アメリカ人って自堕落で不摂生で何でも極端な人たちだなぁ」とあきれていたが、もしかしたらその人達はこの病気だったのかもしれない。 何しろ、この病気の人達は食欲を自分でコントロールすることが極端に難しいために、親元や施設を離れて大学の寮や一人暮らしを始めると肥満に歯止めが利かなくなり、健康上重大な事態に陥る危険性が大きいというのだ。他人の監視なしで自由に生きることは自分の命を大いにリスクにさらすことになるのだ。 この番組を見ていて何だかとてもかわいそうになってきた。 もちろん、アメリカにいる極度に太った人達がみんなこの病気だとは思わないけれど、もしかしてすごい太った黒人のおばちゃんがいつも怒っている(ように見える)のは、空腹感にさいなまれていつもイライラしているからなのかも、、、と思ったら少しは太ったおばちゃんたちの失礼な態度にムカつかなくなるかな。(まぁ、態度が悪いのは太った人に限ったことではないが、、、。(苦笑)) 参考資料 プラダー・ウィリー症候群 Prader-Willi症候群 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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