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カテゴリ:海外生活
あなたは知っていますか? インドでは左手は不浄の手とされていることを。 食事や握手は左手を使ってはいけません。 そしてそれがなぜだかあなたは知っていますか? 知っている方も多いと思いますが、インドでは食事は箸やスプーンなどの食器を使わず、手で食べます。この時、右手しか使ってはいけません。たとえあなたが左利きであったとしてもです。左手は不浄の手とされていて、食事や握手などは右手で行うのです。左手を使ってはいけません。 実はそれには理由があります。 インド人は大便をした後、トイレットペーパーでお尻を拭いたりしません。水で洗うのです。左手を使って。そう、左手はあなたのう○こを肛門から洗い流すのに使われるのです。だから左手は「不浄の手」なのです。そんな左手で食べ物をつまんで混ぜてすくって口に運んだりするのはタブーなのです。 インドのトイレには便器のすぐ傍に水道の蛇口があって、そこにバケツや空き缶が置いてあります。排便後、それに水を溜め右手に持ちピシャピシャとお尻にかけながら左手で器用に洗い流すのです。そして肛門を洗い終わったら残りの水で左手の指を洗っておしまいです。 もちろん石鹸なんてありません。 最後に左手がどれだけ本当にきれいになっているのかはわかりません。 そして、この左手洗浄法はカーストの高い低いや貧富に関わらず、インドではみんながやることなのです。それこそ、マハラジャも道端の乞食も同じです。 インドでは都市の中心部などではトイレがありますが、ちょっと外れるともうトイレはありません。では、みんなどこでするのかと言うと、、、もうみなさんお気づきでしょう、そう、外でするのです。いわゆる野グソ。ちょっとした茂みや畑、ちょっと盛り上がった土手や丘の陰、川べりや橋の上などでするのです。郊外や田舎の方に行くと、朝、片手に缶やボトルを持った人達がぞろぞろと畑や茂みの方へ歩いていくのを見ることが出来ます。彼らは用を足した後、持ってきた缶やボトルの中の水でピシャピシャとお尻を洗い、最後に左手を洗って、すっきりとした顔でまた戻って行くのです。 鉄道の線路沿いなど、ちょっと土手のように盛り上がっていて隠れられるスペースになっているので、彼らにとっては格好の排便場所のようです。朝早い列車に乗って旅をすると、運がよければ(?)線路沿いに多数のインド人がズラッと並んでう○こをしている光景を車窓から眺めることが出来るでしょう。 そのような理由で左手は不浄の手とされているのです。 これであなたはインド人から左手で握手をされたり、左手で肩をポンと叩かれたりするのがちょっと嫌になりましたね。インド系のお店でおつりをもらう時、左手か右手か気になりますね。 しかし、これが厳密に守られているかどうかは定かではありません。私がインド滞在中に握手をしようとして左手を差し出されたことが何度かあります。相手は別に悪気があったりわざとやっているようではなく、私が右手を出しているのに気付くと「あっ、そうか」という風に右手を差し出してきました。なので、もしかしたら左利きの人は意外と気にせずに普段の生活で左手をメインに使っているのかもしれません。こういう人は逆にお尻を洗う時に右手を使うのかと言うと、どうもそれはないらしく、右利き左利きに関わらず、お尻を洗うのはどうやら左手と決められているようです。 さて、排便後、紙を使わずお尻を水と手で洗うのはインドだけではないらしく、マレーシアやインドネシアなどの東南アジア、そしてスリランカやイスラム諸国までこの習慣は広く分布しているようです。 今から一年ほど前のこと、ニュージャージーに住むエジプト人の友人の家に遊びに行ったら、トイレがウォッシュレットになっていた。アメリカではウォッシュレットは全くといっていいほど一般には存在すら知られていないので、一瞬とても驚いたが、 「あ、そうか!エジプトもイスラム圏だからやっぱり水洗いなのか!」 と気付いて超納得。きっと彼らはアメリカのトイレ(いわゆる洋式便所)ではおしりが洗い難いなぁと常々思っていたのだろう。そこへ登場したのがウォッシュレット。その噂は瞬く間にアメリカ在住イスラム諸国出身者の間で広まって行ったに違いない。テロ事件後、世間の風当たりが彼らに厳しくなっていく中、まさに「救世主の登場」とばかりに。 TOTOさんは、アメリカ進出に随分苦戦しているようだが、こんなところにニッチマーケットが存在している事に気付いているだろうか?アメリカ在住のインド系やアラブ系のコミュニティーをターゲットに先ずは攻め込んでみてはいかがだろう?その場合、水がピューッと出てくる洗浄ノズルは左手の形をしているのがいいかも!?指先が機械仕掛けでやさしく動いて洗ってくれる、、、水が噴き出すのはやっぱり中指がいいか、それとも人差し指がいいか、いやそれとも水が出るのは手の平か手首辺りからで指はもっぱら洗う事に徹した方がいいか。マテリアルはやっぱり人間の皮膚の感触に近いものがいいだろう。弾力性も大事だ。おっと、冷たい指先ではびっくりしてしまうから指先暖房も忘れちゃいけない。洗ったあとの指先および手全体の洗浄も大切だ。結構いろんなテクノロジーが要求されそうだな。研究開発の余地ありか??? 経済成長著しい中国にみんなの目は向いているが、同じように人口がケタ違いに多く急成長中のインドは、TOTOにとってはとてつもないポテンシャルを持ったマーケットだろう。ま、実際に商売になるのはもっと先の話だろうけど。今はまだほとんどの人がトイレさえ買えない状況だし。 (あとがき) 私はエジプトには行ったことが無いので、果たして本当にエジプト人はトイレの後、左手で水洗いをするのかどうかは、定かではない。(友人にも聞かなかった。)ネットで調べたら、イスラム諸国もそうだと書かれてあった。エジプトやアラブ諸国を訪れたことのある方、もし間違っていたら指摘してください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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