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カテゴリ:釣道具
作成したほとんどは友人、知人に使われている。木製タモで手元に残っているのは、万久と自作の3本のみである。 タモ作りの師匠は、沢すじのモミに目を付け樹齢5~6年の木に登り、先端部を失敬する方法で材料を手に入れていた。(私も以前はそうだったが、自作タモを造っている人のほとんどは、沢すじに多いモミ、カヤの先端部を無断で失敬している。)モミは用材としてあまり価値がないのと、植林される木でないことから咎められることは少ないが、心情的にも環境的にもあまり良くないとは思っていた。 万久作の渓流タモを使ったことで、枠は真円でなくても、左右の太さが違ってもさして影響がなく、かえってそれが作品の味につながることを教えられた。 私は、伐採の作業に加わることがにあり、伐採後のモミ、カヤ、カラマツ、サワラなどの先端部に良いタモの材料が無いか見て回るようにしている。タモの材料として良い木は意外と見つからないが、「これは」と思う物が非常に稀に見つかることがある。 このタモは樹齢50年以上のモミを伐採した先端部の材料から作った物で、枠部分も柄の部分も一般的にタモを作る材料の倍以上太いものから適当なサイズまで削りだしている。 枠も太かったため無理をして丸め乾燥させたため割れが入り、枠径23センチと若干渓流タモとしても小振りの仕上がりとなったが、そのぶん丈夫なタモとなった。 切断部にみえる見える緻密な年輪も17年とタモとしては考えられない材料から作ることができ。グリップ部の立体的な造詣も手作り作品として存分に楽しめた。 また、このタモからタモ枠にリングを埋め込み、タモ網の取り付けに糸を使用しない手法をとっている。糸や紐を使わないので針掛りのトラブルがなく、タモ枠の表には枠の節などの表情を隠すものがないので味のあるタモを作ることができた。 枠径が小さい渓流タモといえ、このタモに収まった尺物は一桁ではすまない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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