アウトドアの交差点

鋸山は、容姿、展望、のぼり応え、スリル感など皇海山（百名山）より魅力的

　皇海山を訪れる人は、百名山登山目的や名前が素敵だからなどで、隣にそびえる鋸山に登る人はほとんどいない、私が山頂で休憩（私は基本的に山頂でしか休まないので大休止）してる時にあった人は全て、庚申山側から登る本当の山好きの人だけだった。
　こんな静かな山に、５月４日に皇海山に続けてピークを踏んだのでレポートしてみたい。
　
　皇海山に登るほとんどの人は、不動沢のコルから見える「小振りな槍ヶ岳」のような姿を見ているはずである。皇海山を含め女性的な丸みのあるラインの山が周辺には多いが、鋸山岳だけが鋸の歯のような鋭角的な１１のピークの連なりの先端にあり印象的な姿を見せている。



　この姿が鋸（のこぎり）山の所以？

　
　不動坂のコル迄は昨日の紹介の通りである。
　歩行時間は、不動坂のコルから登り５０分下り３０分（山と高原地図の歩行時間登り４０分下り３０分）鎖場などもありちょっとキツイです。
　荷物をデポして水だけ持ってピストンというのも有りかも？

　不動坂のコルに出たら鋸山標識に従って、右の登山道に入る山深い尾根の印象的な山道を進む。



　樹林帯を抜け出ると、雪をまとった岩嶺が目前にみえる、迫力があり「これ登れないじゃないのー」と独り言が出てしまった。
　取り付きの岩場（ロープ１箇所）を抜け

　

　雪の５０度くらいの急斜面、凍っていたら、とても私には登れません。滑落が頭をよぎりますが雪が緩んでいるので何とか慎重にズボズボ、キックステップで登れます。（暖かい日の翌日、強い冷え込みがあったらヤバイかも？転べば、そうとう下まで滑れます。庚申山側から登る人は必ず通らなければならないのでピッケル、アイゼンも考慮を。実際持ってきている人もいました。）



　雪の急斜面を越えると、ちょっとスリルのある岩場です。ロープが雪に埋まっている所もありますが３０ｍ位の岩場を抜けると頂上です。岩場は岩がもろく小さな落石も多いので登る人も、待ちの人も気を抜かずに。



　ふ～、急な山なので縦写真の多いこと・・・　
　ちなみにこんなルートで登っています。



　山頂は皇海山と違って木が無いので、素晴らしい眺望です。皇海山に登った人は、樹林のため全貌を見ることはできませんがここに登れば全貌を見ることができます。（私の後ろに写っているのが皇海山です）、その他、日光白根・男体山、尾瀬・上越国境の山々など素晴らしい眺望です。



　また、皇海山の頂上には「渡良瀬川水源碑」が立っているが、鋸山山頂から見ると渡良瀬川源流の沢筋を一望に確認することができ、この鋸山に本沢が入ってきているように見える。

　
　
　皇海山に登った時に、余力があれば是非登ってもらいたし、鋸山単独でも価値のある山だと思います。

　鋸山の頂上で、大阪から来た単独行の男性と話をした。電車を乗り継ぎ、渡良瀬渓谷鉄道で通洞駅まできて庚申山荘前にテントを張り、ここまで４時間半歩きここまで来た、過去にも六林班峠から皇海山に来ているそうだ。

　ゴールデンウイークを使わなければ来られないし、大変な労力を伴なってまで、ここに来る価値が有るのか？考えながら話をした。
　大阪から来れば北・南アルプス、八ヶ岳など魅力的な山々を、さしおいてここに来ていることになる。
　人臭さい山を嫌う山男も多いが、そうさせる魅力のある山域なのかもしれない。

　話しが切れると、「最近のカメラは使い方がよう分からん」と言って、ザックからキャノンA－１（古い銀鉛一眼レフカメラ）を出して写真を撮り始めた「似た物同士だな」とちょっと思った。

　皇海山には、初めに書いたがハードな登山コースがあと４コース残っているが、一度登ってみなければと思っている。

　今まで興味がなかったが、百名山の選定もあながち間違っていないのかもしれない。



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