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テーマ:日々自然観察(9781)
カテゴリ:自然
ツキノワグマの気持ちになって
尾瀬のツキノワグマ調査の一環で過去に冬眠に使われた冬眠穴を覗いてみました。 尾瀬は基本的に登山道以外の歩行は禁止されていますが、積雪のある時期は雪上の移動が可能な時期のみ冬眠に使われた、カラマツの大木に近ずくことが可能になります。 このカラマツのムロでは、2年前に熊が冬眠しました。 尾瀬周辺のツキノワグマは、木の幹に出来たムロ(穴)や、倒木更新によってできた樹木の根株のムロに冬眠することが多いようです。 では脚立をたてカラマツのムロに潜入してみましょう。 このカラマツは上部までムロが抜けていて、上を見ると空が見えます。 冬は雪が入って寒いでしょうね。(笑) 内部には熊の爪痕が生々しく残っています。室の床を木屑で整えるため削ったのか、ずいぶん内面の壁に爪痕があります。 出入り口付近は狭くなっているので、体か擦れるため、クマの体毛が絡んでいました。 クマは通常、体温が37.5度、心拍数は60~90/分、呼吸が15~30/分とされています。冬眠時は体温は3度程度低下し24度、心拍数は1分間に45回、呼吸数は同20回に減らします。 爬虫類や両生類の冬眠は、新陳代謝が不活発で仮死状態に近いものです。 哺乳類のコウモリ、ヤマネなどは体温を0度近くまで下げて代謝レベルを下げ冬眠するのに対し、クマは外界の刺激や、自分の意思で目覚めることもあり睡眠に近い状態のため「冬ごもり」と言われますが、学術てには冬眠(疑似冬眠)とされているそうです。 ところが野生の熊の中にも、温暖化の影響や、食料不足から冬眠ができない熊もいて「穴持たずの熊」、「寝そっかれ」と言われるような、熊も存在するようです。 知床ではエゾシカの死体などを食べ冬眠しないヒグマの個体も確認されていています。 冬眠から覚めるのは、尾瀬ではオスと若いメスが3月頃から、冬眠中に出産したメスと、高齢のメスは4月後半から5月頃と目覚めが遅いそうです。 熊はもう、冬眠から覚めています。山に行く時はクマ鈴などを携帯しましょう。 ---------------------------------------------------------------------- 尾瀬の入り口戸倉温泉 「マルイ旅館」アットホームな雰囲気がお気に入り、トレッキングの疲れも大浴場で癒せます。 旅館専用の体育館もあり夏合宿にも最適ですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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