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カテゴリ:育児
昨日、狸さん(うちの幼子2歳)の通う託児所でパーティーがあった。
2週間も前から「みなさんお国料理を持ってきてください」と紙が渡され、保母さんにも「メニューが重ならないようにもう一人の日本人のママンと相談して♪」とまで言われ、私の悩みの種だった。 悩んでいるうちに残るは2日となった。日本の料理で、託児所のパーティーで食べられそうなものといったら、巻き寿司ぐらいしか思い浮かばない。巻き寿司なら簡単そうだ。そうだ、これにしよう。 前日、焼海苔とスモークサーモンを大量に仕入れ、巻きすも購入、Yahooグルメで巻き寿司のレシピを検索して、特訓した。簡単と思えた細巻き寿司はなかなか難しく、失敗作を口に放り込んでいるうちにたちまち満腹になってしまった。こんなことをしている間に、あっという間に日が暮れた。 当日。狸さんを託児所に送る前も下準備をし、狸さんを託児所に送ったあとも、再び取り掛かる。やっぱりうまくできない。この調子で失敗作を食べ続けていたら私はデブになってしまう。もう散らし寿司にしてしまおう…と途中で血迷って散らし寿司にしかけたりしながらも、最終的にはやはり巻き寿司をつくった。 3時間分の血と汗と涙を巻き込んだ寿司を寿司桶に並べ、下に氷を入れて、託児所にいつもより早めに向かう。 ついてみると、他の父兄は「お国料理」などというのはまったく気にしていなかったようですべてケーキやマドレーヌだった。父兄たちの手作りのケーキは30個ぐらいあっただろうか。まるでケーキのコンペティションのようで壮観だった。 その中で、完全に浮きまくっている寿司桶。 これで誰も箸をつけなくて全部残ったりしたら余計目立って悲惨だな…と思っていたが、幸い甘いケーキに食傷気味だった大人には好評だったようで哀しい目立ち方をしなくてすんだ。 好評といっても、実際には、すでにレストランなどで日本食経験があるらしい5人ぐらいの父兄がずっと寿司桶の脇に張り付いて、「Oh! Sushi!」(アメリカ人)、「これはwasabiね」「この寿司ボウル(寿司桶のことらしい)はどこで買えるの?」「午後の5時に寿司が食べられるとは思わなかったわ」とせっせとおかわりしていたというのが実態で、やはり普段外食と縁のなさそうな雰囲気の父兄は興味がなかったようである。 それにしても、考えてみると、昨日はこの寿司をつくるために狸さんを預けている貴重な時間すべてをささげてしまった。 締め切りがせまった翻訳が3つもあるのに。 本末転倒ではあったが、自分が汗水たらして巻いた寿司が売り切れたことに生まれてはじめての不思議な感動を覚えたのであった。すし屋になろうかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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