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テーマ:カナダ de ~(1387)
カテゴリ:暮らし@カナダ本宅
今日はまじめな話。 去る3月2日に、ポール・マッカートニー氏が夫人同伴でカナダにやって来ました。目的はアザラシ捕獲禁止を訴えるため。 記者団に「毛皮目的のために殺され、周囲が赤い血で染まることがあってはならない」「カナダ産シーフードのボイコットを」というようなことをおっしゃいまして。で、セントローレンス湾に浮かぶ流氷でアザラシの赤ちゃんと記念撮影。 私もファッションのためだけに動物を殺すのには大反対。 それがアザラシだろうが、ミンクだろうが、狐だろうが。 マッカートニー氏個人に対して全く含むところはありません。 このようなセレブリティの方が問題提起をすることは、今まで日の当たらなかった問題を浮き上がらせ広く知らしめるという点でメリットは大きいと思います。 しかし、問題は「毛皮目的のために」というところ。 アザラシ捕獲は上記目的のために捕獲されるというより、個体数の抑制のために行われている、と言った方が正しいでしょう。 氏はこのことをどこまで調べてカナダまで出向かれたのでしょう。かわいいアザラシの赤ちゃんに大接近して写真撮影をされていましたが、アザラシには大きな迷惑で恐怖以外の体験でしかなかったのでは、とも思います。いつのまにやら帰国をされたようですが、漁師の方や調査船で海の実態をよく知る方たちとも情報交換をされたのでしょうか。 我が家の近所には毎日のように海に出ている漁師の方がいます。アザラシの増加で魚が激減していると言います。 友達に海洋調査船に乗船している方がいます。彼も同じことを言っていました。 そして私たち夫婦も夏だけですが、毎日のように海に出て釣りをしたりします。これだけの体験でも同じことを感じました。 掲載された記事だけを見たら「かわいいアザラシを保護しよう!」「アザラシ捕獲は必要ないんじゃないの?」などと思うかも知れません。私も日本にいてメディアの情報だけを鵜呑みにしていたらそう思っていたかも知れません。 ですが、問題はアザラシの捕獲を禁止すればいいというものではありません。ましてそのためにカナダのシーフードをボイコットしよう、というのもあまりにも短絡的です。 禁止したらアザラシは増加し、魚を食べ尽くすでしょう。それを生業にしている方たちには死活問題ですし、それ以上に生態系のバランスを崩すことにもなるでしょう。 一つの記事の後ろには、記事にならない、そして知られていない問題が山積しているものです。 物事を単眼で見るのではなく、常に複眼で見なければ問題解決には結びつかない。ましてや現状把握もままならない。 それを強く感じたアザラシ問題でした。 追記:アザラシを棍棒で殴り殺すのは正視できるものではありません。「個体数の抑制」ってつまり殺すということですものね。必要とは思いますが、自分がそれを実行する立場だったらどうか?と考えるとジレンマに陥ります。。 写真は昨年の夏にカヤックから見たアザラシたち。一度にこの数(フレームに入りきらなかったけれど、もっといました)が入江そばで見られるというのは珍しいのかも。あの夏は魚が全然釣れませんでした。 ☆本日、快晴。気温は10度。いやもっとあるかも。朝から外で作業です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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