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テーマ:お勧めの本(7401)
カテゴリ:本をめぐるアレコレ
久々にえびせん本に出会いましたわ。 「えびせん本」とは、一気読み本のことです。 『かっ○えびせん』の惹句に 「やめられない~♪とまらない~♪」って フレーズがあったような気がするんだけど、 そこからいただきました 笑。 『空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか』 (INTO THIN AIR by Jon Krakauer) ジョン・クラカワー 文春文庫 1996年にエヴェレストで12人の死者がでた遭難事故。 この中に日本人の難波泰子さんが含まれていたこともあって 当時、TVニュースで彼女の夫が会見をしていたのを おぼろげながらに覚えています。 作者はクライマーでもあるライターで、 遭難したグループに参加しており奇跡的に生還。 インタビューと取材で裏付けをし エヴェレスト登山までの行程と「その時」を再現。 実際に登頂したからこそわかる山の過酷さや ガイドとしてお客を連れての商業登山の実態や パーティーごとのつばぜり合いなどなども 書かれています。 登山はしないしあまり興味のない私を ここまで引きつけ読ませたのは、 ドキュメンタリーならではのリアルさに加え 山を知らないだけに目うろこものの事実の連続であったこと、 そして未知の世界であるエヴェレストが舞台だったからかな。 天候の良い日には「渋滞」ができちゃうとか 経験不足でも優秀なガイドとシェルパのサポートと 幸運があれば登れてしまうってのにもびっくり。 (ここでの「経験」とは8000M級での登山と言う意味) 今までに何十人と言う登山家やシェルパが遭難して 亡くなっているわけで、その亡骸は雪に埋もれたり 凍ったりで登山途中に目にすることもある。。これは まったく想像外のことだったのでちょっと衝撃でしたね。 8000m級の高地での呼吸の苦しさや 容赦ない太陽の熱で意識が朦朧となること、 猛烈な吹雪で体感温度-4、50度の中 吹き飛ばされそうなテントで過ごす夜。。。 ある登山家は「エヴェレスト登頂には苦痛しかない」とか 言っていたけど、読んで頷いてしまったわ。。 この遭難があった当時は複数のパーティーが 山頂アタックしていて中にIMAX撮影隊もいました。 後に偶然、この時に撮影していた映画を見たのですが 遭難したベテランガイドが衛星電話で 異国で心配する妻と話すシーンがあって。。。。 お互いそれが最後の会話とわかっているのね。 胸をえぐられるような切ないシーンでした。 本書にもその時の様子が描かれていました。 難波さんとともに猛吹雪の中に1日以上取り残され どうみても生存の可能性はゼロに近かった一人が 生還したのはまさに奇跡でしょう。 凍傷で腕の一部や指、鼻を失いましたが。 昨晩は来客があったのですが、客が帰った後も読み進み 3時過ぎに読了~。久々に読み応えがありましたね。 ノンフィクション好きはもちろん、そうでなくても 興味深く読める1冊です。 荷造り。。といっても、持ち帰るものは 母に頼まれたメープルシロップやそんなものばかり。 あっという間に終わりそうです。 ●曇り時々晴れ。 「WET SNOW」という新聞の予報ははずれました。 気温は2度くらい。まだ寒い~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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