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テーマ:お勧めの本(7402)
カテゴリ:本をめぐるアレコレ
先日、エヴェレスト遭難事故のノンフィクションを 読んでかなり心を動かされた私。 で、調べると非難の的となったガイド、 そして猛吹雪の中から奇跡的に生還したクライマーも それぞれ本を出版していたので早速取り寄せ読破!! 前回読んだ本の著者とは違うグループで登っていた ガイドのアナトリア・ブクレーエフ氏。 彼自身、高所登山のベテランクライマーです。 酸素ボンベを使わずに登ったことや 一人でとっとと下山したことに対する彼なりの理由などを ノンフィクション作家の質問に答える形で述べています。 根本にはガイドはどうあるべきかの考え方の違いや クライマーに求めるレベルの違いが リーダーと彼との間にあったのは確か。 あれこれと非難をされたけれど、彼が自分の足元も 見えないほどの猛吹雪&極寒の中をひとりで救助に出かけ、 (彼の「救助に行こう」という呼びかけにシェルパや 他メンバーは誰一人として応えなかった。。。) 3人の命を救ったのは事実。 加えて、山頂付近で瀕死だったチームリーダーのために 酸素ボンベを持って登っていったことも事実。 (すでにリーダーは凍死していましたが。。) その後、ブクレーエフ氏は他の山で雪崩に巻き込まれ 亡くなりました。合掌。 彼の著書↓ 『デス・ゾーン8848M エヴェレスト大量遭難の事実』 アナトリア・ブクレーエフ G・ウェストン・デヴォルト もう一冊は、低体温症で虫の息だったので 「もうじき死ぬ」と吹雪の中に放置され、 それでも生還を果たしたクライマーの本。 彼は遭難死した難波さんと同じグループでした。 著書はエヴェレストでのことより 彼自身のことや家庭のことにウエイトが置かれています。 鬱病を患い家庭を省みずに登山に熱中していたこと 家庭は崩壊寸前だったことなど。 それが生還することで、人生で何が大切かに気づくという 人間&家族の再生の物語といった感じかな。 猛吹雪の中から奇跡的に助かったものの テントの中に放置され仲間たちに「すぐに死ぬ」と 勝手に判断され、死体をどうするかなどの会話が 聞こえたりするあたり、ぞっとしますね。 下山のときに仲間が偶然テントを覗き込み 彼が「まだ」生きていることにびっくりするのです。 (この仲間とは1冊目に読んだ本の著者クラカワー氏) 誰もテントを覗かなかったらと思うとぞっとします。 右手を失い左手もほとんど指をなくしたものの ウェザース氏は病理医の仕事に復帰したそうです。 彼の著書↓ 『死者として残されて』 ベック・ウェザーズ (タイトルも強烈。。) ウェザーズ氏、エヴェレストでの生還で 鬱病は治ったみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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