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テーマ:旅のあれこれ(10252)
カテゴリ:旅をめぐるアレコレ
20代の初め、友達を訪ねてアメリカのとある町へ。 キャンプに出かけたのだが、目的地までの道というのが どこまで続くのかと思うほどの一本道。 まわりは膝丈のブッシュが点在する砂漠。 街灯はもちろん、店も人家もなく ひたすらまっすぐの道が闇夜のなか延々と続いていた。 しかも対向車はまったく来ない。 しばらく走ると道路脇に車が停車し、 男が手を振っているのが見えて来た。 友人は距離をとって車を停め、 自分が下りたらドアをロックするようにと私に言いおき ダッシュボードからキャンプ用のナイフを取り出すと ポケットにねじ込み出て行った。 結局、車が故障して困っている母と息子で 電話があるところに行き着いたらピックアップの 手配をしてあげる、そんな話をしたと思う。 (今なら誰でも携帯をもつ時代だけど あの頃は個人が持つものではなかった) 砂漠の一本道とナイフを持って車を出て行った友人。 強烈に「外国」を感じた夜だった。 もうひとつのドライブ。 確か、ヨセミテ国立公園の行きか帰りだったか。 これまた街灯も店も人家もない夜道。 こぢんまりとした丘、しかもいくつも続いていて 遊園地の乗り物に乗っているような気分で。 そして、手を伸ばせば届きそうなところに 大きな大きな満月が。 あんなに近くで見た月は生まれて初めてだった。 とっても明るくて、車の中の友人の服の柄、 犬の表情までよく見えたのをおぼえている。 あれから数えきれないほどドライブをし たくさんの月も見たけれど おとぎ話の挿絵のような風景と 月明かりに照らされた友人の横顔、 膝にいたジョブ(犬)の手触り。。 今でもありありと思い浮かべることができる。 一生忘れたくないドライブだ。 旅先では記録を取る私だが このドライブの記録ははっきりしない。 どこの町へ向かっていたのか。 今では確かめようもない。 記憶と思い出だけが残っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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