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藤田嗣治という画家のことは、最近まで知らなかった。駅に展覧会ポスターが貼られてたのと、伯父が藤田に関する昔の記事を見せてくれて、ようやく知ったぐらい。
祖母は、「おかっぱ頭でね、話題だったのよ。」と言っているので、その年代の人には良く知られているみたい。(というか、私が常識無しなだけ?) この藤田嗣治の展覧会が近代美術館で開催されていて、たまたま券をいただいたので、見に行ってきました。土曜日だけあり、結構な人出。 パリで成功し、南米放浪をし、一時的に帰国するものの、戦争画を書いた責任を問われ、戦後に再度渡仏し、そこで帰化し、カトリックに改宗し、亡くなる。 こんな人生を表すかのように、画風は時代によって大きく変わる。 初期は、乳白色で描かれた柔らかな印象の人物画が多くて日本的なのに、南米に渡ってからは鮮やかな色に変わる。戦争画はおどろおどろしさが伝わるこげ茶色のイメージ。日本に帰ってからは、商業的なあまりインパクトの無い絵。晩年は少し漫画というか、挿絵的な絵を描いている。子供の絵が多く、それがダンシング・ベイビーに雰囲気が似てて、ちょっと気味が悪い感じなのだが、全体の雰囲気が良く、つい見入ってしまう感じ。昔の乳白色の人間の周りに漫画的な動物が描かれているのもあり、面白い。 一緒に絵を見た人は、晩年の絵を見て、「この絵は、もう日本人の絵じゃないよね。」と言っていたが、まさにそうかも。この時期にはもう日本人ではなく、フランス人と化していたのかもしれない。 期待していなかったのですが、かなり良かった。日本人の画家に注目したことなかったけど、こんな人もいるのね。今度フランスに行ったら、モンパルナスのCafe la Domeやランスにある藤田が作った教会に行ってみたい。 個人的には、初期の宗教画と、日本で描いたある夫人の肖像画と、鳥獣戯画みたいに猫が舞っているのと、乳白色時代に描いた女性像(バックが白と赤のカーテンのような模様)が好き。ここに絵を掲載できないので、国立近代美術館サイトからでも見てください。あまり私の好きな絵は載っていないのだけどね。http://www.momat.go.jp/Honkan/Foujita/ フランスで評価されているのに、日本であまり見る機会はないし、画集で色彩や色使い(特に、藤田特有の乳白色)を把握するのは、とっても難しいと思うので、展覧会がとてもお勧め。日曜日にNHKで特集が放映され、その後は展覧会は込むことが予想されるらしい。 ちなみに、私が藤田を気に入った一つの理由は、猫。 猫が登場することが多く、裸体像でも猫。自画像でも猫。猫だけの絵もある。藤田嗣治が描いた猫の絵だけを集めた本もあるぐらい。その愛らしさに、本を見ていると、つい笑みがこぼれてしまいそうになる。 しかし、藤田のいくつかの絵は、どこかで見た雰囲気のものもあり(ボッティチェリの春やピカソ、独特の画風を打ち出すため、試行錯誤があり、大変だったのねと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 18, 2006 08:28:46 PM
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