シナリオ3 茶の製造
■ 茶の製造 ■お茶って一言に言いますが、どんなお茶を思い浮かべていますか?-時間が有ればちょっと聞く-日本では緑茶が多いですが、紅茶、烏龍茶色々あります。これらのお茶は同じ、ツバキ科カメリア種からできています。このお茶の差は製造方法から来ています。この色の差が出来る大きな原因は発酵です。一度しっかり発酵したものを製茶すると紅茶が出来ます。発酵途中で頃合いを見計らい製茶すると烏龍茶が出来ます。日本茶は刈り取ったお茶の葉を新鮮な状態で蒸して酸化を止めたものです。その為、緑の色が残ります。さて、お茶が畑で取れてお店に並ぶまでに大きく分けて2つの製造工程があります。一つ目は、農家が葉っぱを作り、荒茶を製造するまで。二つ目は、出来た荒茶を茶商さんが買い、仕上げ、ブレンドを行い、包装して出荷するまでです。今日の製造の説明はこの一つ目の農家が荒茶を作るまでの説明になります。製茶をなぜ農家でするのかわかりますか?理由は新鮮なうちに荒茶を作り、変質が比較的少ない形にするためです。茶商さんが仕上げをするのは、香りや味の調整ができるためです。お茶の製茶は手揉み、機械揉みと有りますが、実は機械揉みは手揉みを機械化したもので、その工程は手揉みを見習ったものです。日本茶の製茶は蒸して酸化を止めた後、揉んで水分を少しずつ表面に出し、熱風で乾かしていきます。大きく分けて工程は 1.蒸し 酸化を止めます(若芽25~30,普通30~40,深蒸80~120) 2.粗柔 揉みながら、乾燥させていく工程 3.柔捻 ↓ 唯一、熱を加えず、揉むことで水分を均一に 4.中柔 ↓ 5.精柔 ↓手揉みの要素が一番多く入った工程。 針のような形状にココでなる。 6.乾燥 水分量が5%程度になり、荒茶が出来上がる。 生葉から荒茶の形になるまで、約4時間かかります。製茶すると生葉の時の重量の1/5程度になります。予備:1.最近は、葉っぱを育てる農家と、それを集めて荒茶にする大型工場を 共同で経営する形が一般的で、両方を自前でする自園自製は減ってき ています。大型機械化で生産量を、自動化で製茶の手間を補う方向に あるのですが、費用の面で単独での投資が厳しいため、共同で行い、 組合を会社化、組合員を社員にして、収入の安定化を図る取り組みが 進んでいます。2.「深蒸し」と言うのを聞いたことがありますか? 普通蒸しからさらに2,3倍の時間蒸すことで、お茶っぱの見栄えは 粉っぽくなりますが、甘くて、深い色が出ます。 香りは少し弱くなり、すがすがしさは薄れますが、 カルキに強く、水質があまりよく無い地域でも、特色が出るため、 最近普及しています。 静岡県でも6~7割が深蒸しになっています。