好きな映画をあげるとしたら、まず必ず挙げているのが「グラン・ブルー」だ。
この作品はあたしとって、単なる好きな映画ではないのだ。
なぜか?
この映画が「グレート・ブルー」というタイトルで公開したときに
偶然、映画館でこの映画に出逢った。
(後にカルト的人気を博したこの映画は「グラン・ブルー」と
タイトルを変えて、再度、上映されることとなったのさ。但し余計なシーンが
加わっただけなので、完成度が高まったわけではないよ。)
記憶が定かではないんだけど、たぶん同時上映だった
別の映画を見にいったんだと思う。
以下ネタバレなんで注意。
ところが、その音楽と映像と主人公の不思議な魅力に画面に釘付け。
珍しく一人で映画を見てたんだけど、
最後ボロ泣きで、恥ずかしかったことを覚えてる。
今ではこの映画もすっかりメジャーになっており、
たくさんの人が見ているはずだ。
「ボロ泣きするような映画か?」と思う人も多いだろうけど
あたしにはあのラストは涙涙だったのだ。
恋人役のロザンナ・アークエットがインタビューで
「アメリカ人のあたしには、なぜ最後、愛する人に対してあの
台詞がいえるのかが理解できなかった。ヨーロッパ的な感覚なのかもしれない。」
と言っていた、ラストシーン。
愛する男が(しかもその男の子供を身籠もっている)
自分の元を離れて、自分だけの世界に向かおうとしている。
彼女のことを嫌いになったわけではない。
だが男は一般社会には適応できず、心だけでなく
体さえもそれを拒否してしまう。
そして、ついには彼が愛する世界、
スキンダイビングによって得た
海の中に広がるグラン・ブルーの世界へと
否応なく導かれていってしまう。
そしてそれは永遠の別れを意味することを
彼も、彼女自身もわかっている。
深海にむかって、一人潜っていこうとする彼を見つけ
彼女が彼に最後に言う台詞が
「行きなさい。行ってわたしの愛をみてらっしゃい・・・」
ロザンナじゃなくたって言えないよ、こんな台詞!!
「自分と一緒に、家族としてこの世界で暮らしていったとしても
彼は幸せになることはできない。彼が共にいることを選んだのは
海の中にいる彼の家族なのだ」
そう悟った彼女は彼を解放してあげることで、
彼女の彼に対する最大限の愛情を表現するんだよね・・・
大都会で仕事に追われて疲れきったキャリアウーマン。
そんな彼女が出逢った男はイルカと会話する、
風変わりでピュアな心をもった男。
男と愛し合うことで、癒され、新しい命も授かり
まさにこの男と一緒に生きていこうと決めたその矢先に
男が永遠に自分のもとを去っていっていこうとする姿をみる。
そんなシーンでこの台詞だよ・・・
こんな愛し方できる女性の強さに涙しちゃったんだよね・・・
どうもこの映画はジャン・レノばっかりがとりあげられているけど
そーいう視点でみたら、泣けないよな。
この映画があたしにとって特別なのは
実は映画のパンフレットに載っていた監督のインタビューの中で
この映画で撮ろうとしたイメージを表現してる文章が
この映画が公開される数年前、
中学生のあたしが書いた詩の内容そのままだったの。
もちろん日本語で書いてある記事なので
監督が全くそのままに言ったかどうかはわからないけど
(意訳したのかもしれないし)
でもでも、当時のあたしにはものすごい感動で
「ああ、この人はあたしと同じ感覚を持ってるんだ」って
ますますこの映画が大好きになっちゃったんだよね。
いま、手元にパンフレットも詩もないので正確に書けないので
ここには書かないけど、いつか書こうとは思う。
と思い入れが強い作品だけに、あたしはロケ地の一つである
シチリア島のタオルミナまで行ってしまった!
ちょうどシーズンオフだったので、町は静かで観光客も少なかった。
劇中で主役達が滞在するホテルを訪ねると、
ホテルの支配人らしきおじいさんが、撮影場所を案内してくれた。
この映画の中で有名なパスタを食べるシーンは実は別のホテルの
レストランで、そのときは閉鎖されていたので食べに行くことは
残念ながら出来なかったのである。
しかも、シチリア島は少なからずあたしの名前に関係している場所なので、
この映画がきっかけとなって、その地を訪れることになったことは
あたしにとっては運命的なものを感じずにはいられないのだ。
一方思い入れが強い故に誤った行動をとってしまったこともある。
それはある人の作品=マンガを買いそろえてしまったってこと。
っていうか、この作者も相当誤った行動をとってる思う。
この作者=きたがわ翔
このB.B.フィッシュ(ブルーバタフライフィッシュ)ってていう作品は
最初は運動神経抜群なのになぜか泳げない奔放な性格の男子高校生と
美人でお金持ちの女子高校生の恋愛ものにスキンダイビングネタを持ち込んで、
ちょっと自然環境とかの話もちょっと絡めてみました、
程度の話におさめるのかと思いきや、
どんどんグラン・ブルーの物語に内容が傾いていってしまって・・・
最後は映画と同じく、主人公は海へ消えてしまい
(映画と違い、最初から自分で潜ったわけでもないし 彼女との別れのシーンもないけどね)
彼女は残され彼の子供を身籠もり、出産、で終わりと。
しかもこの人はこの作品だけでは飽きたらず
次の作品では主人公の名前を円造(エンゾ=ジャン・レノが演じた役)
にし、しかも風貌もジャン・レノ似。
いーかげんにしろ!って言いたくなる。
しかもこの作品(ホットマン)は反町隆史(ジャン・レノか???)
でドラマ化されそこそこ人気を博してしまった。
ああ、グラン・ブルーよ、どこにいく~(涙)
ジャン・レノは日本に青年コミックに自分の名前と風貌が
勝手に使われていたことを知ってるのだろうか?
しかもその役を日本の○流俳優(○の中はお好きな数字で埋めてあげて)
が演じていたことを知ってるのだろうか?
まー、別にだからといってあたしがグラン・ブルーを好きな気持ちに
変わりはないことだけどね。
人間(男)に恋した人魚(女)の話は「人魚姫」。これは悲しい物語。
人魚(女)に恋した人間(男)の話は「スプラッシュ」。これはハッピーエンド。
じゃあ、人魚のような男に恋した人間(女)は・・・
「グラン・ブルー」はそんなお話って言ったら語弊あるかな?
そーいえば邦画で浅野忠信が人魚演じてなかったっけ?<見てないけど。
ま、話が長くなるのでこのへんで。
まだ見てない人、もう一度見たくなった人は、みてみてね。
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