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April 9, 2006
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カテゴリ:MOVIE

一応、好きな映画に江國香織原作の「きらきらひかる」を挙げているあたしとしては
この映画もみてみたいなって思っていた。が、キャスティングをみていまいち気乗りしなくなり
結局、映画館に足を運ぶことも、レンタルDVDを借りることもしてなかった。
ところが、先日テレビでやっていたのでとりあえず録画。


VPBT-12330.jpg

CMプランナーの妻、詩史黒木瞳)は友人の息子でもある20歳年下の岡田准一)と出逢い、一目で恋に落ちていく。それから3年間、詩史は秘密の関係を重ね続けていた。一方、透の友人、耕二松本潤)も夫への不満をもつ主婦の喜美子寺島しのぶ)と恋に落ちていく。

不倫という題材を扱っているが、その善し悪しを語る映画ではないので、そのへんは置いておく。

ただ、裕福な家庭で、自らも高級な顧客を抱えるセレクト・ショップを経営しているという設定の人妻を
黒木瞳が演じるというのは、ふさわしいことはふさわしいのだが
やっぱり、薄っぺらい印象になってしまうのだ。
あたしは黒木瞳は嫌いじゃない。作品によっては好きなこともある。
もともと泥臭い不倫話ではない。
夢物語のような恋愛話だって、嫌いじゃない。むしろ映画なら夢見るような話でもいいと思う。
なのにこういう透明感のある恋愛話を彼女が演じると
透明感を通り越して、単なる陳腐なペラペラのお話になってしまうのだ。

恋はするものじゃなくて、墜ちるものだ-

このテーマには共感を覚える。気付いた時には恋という空間の中にいる。そんなものだ。
だから二人が出逢ったとたんに恋に墜ちることもわかる。
だが、3年という月日の中で、二人の結びつきが深まっていく様子は
まーーーーーーーーったく描かれていない。

透が、詩史の好きな音楽を聴き、詩史が好きな本を読み、詩史からかかってくる電話を
心待ちにしている様子や逢いたくても逢えないという切なさ、詩史への想いを岡田くんは熱演していたが
詩史の透への想いの強さははよくわからないのだ。
当初、身勝手な詩史の、相手を振り回すだけ振り回すだけの恋愛なのかなって思っていて
それはそれで面白いかもって思いながみていたんだが、どうもそうではなかった。
(まあ、ある意味身勝手な結末にはなっていくのだが)
だとすれば、中盤までにもっと詩史の透への想いを表現してほしかったなー。

高級なレストランやホテル、パーティー、そして美しく輝く東京タワーと
二人の恋愛はただただ美しくてきれいなものに囲まれている。
が、それだけ。
まあ、きれいなモノというのは見ているだけでも楽しめるモノではあるので
それはそれでいいのだが、とはいえ
ラストに向かう話の展開はあまりに安易でかなりショートカットされていてしらけてしまう。
ネタバレになるので、読みたい人だけ下記の部分の文字色を反転させてね。

不倫が夫にバレて透と詩史は一旦破局するのだが、結局詩史は夫と別れて、
パリに留学している透のもとにいき、ハッピーエンド。
ったく、失恋した男がパリ留学ってあなた、そんな使い古された手口、よく使うよね~
しかも二人で眺めていた東京タワーのかわりにエッフェル塔を映して・・・
ああ、もうベタすぎ~くりーむしちゅーのベタ映画じゃないんだから。


どんなに美しい恋愛でも、描き方を間違うと、陳腐にあるという見本でした。

一方、耕二と貴美子の恋愛は面白い!
「貴美子さんはどんどんすごくなる。あの人は悪魔だ。」
って耕二に言わせるほど、耕二と出逢ってからの貴美子は激しくなっていく。

35歳の女の欲望なんて絶対に耕二くんにはわかりっこない

あたしはこの貴美子の台詞が大好きだ。
これこそ年の差カップルの本音ではないのか?
絶対にわかりあえない部分があって、それでもなお惹かれていき、墜ちていくのが「恋」。

綺麗だけどペラペラな詩史たちの恋愛と違って、こちらはドロドロで現実的。
フラメンコという小道具も使って、貴美子の激情を表現している。

こっちのカップルはラストもいい感じ♪
以下、ネタバレなんでまたしても文字反転。

同年代の女の子を乗せて走る耕二。女の子からどんな女性が好みかと聞かれ、
貴美子を思いながら、答えていると突然後ろの車からぶつけられる。
それは貴美子の運転する車だった。貴美子は更にガンガンとぶつけていき、最後はクラッシュ!
けがはないものの、耕二の車は半壊。怒って運転席から降りてきた耕二に対して
『あなたを怒らせたかった。いつもあたしが怒ってばっかりだったから。あたしのこと絶対に許さないでね。』
と最後の別れを告げる貴美子。
忘れないでじゃなくて、許さないでといって、相手への想いの強さを伝える貴美子が悲しい。


貴美子の夫を宮迫博之、姑を銀胡蝶が演じていた。
はっきりいって、このキャストでこの内容はもったいない!
今度はこのカップルだけを描いた作品を撮ってもいいんじゃないだろうか?
そのときはやはり内舘牧子あたりで、ドロドロさを一層濃くするか
多少コミカルな部分を加えてもいいかも。

そのときのタイトルは

猟奇的な人妻

なんてね。

あ、そーいえばちょっと前のTBSドラマでは黒木瞳の相手役を宮迫博之が演じてたな。
黒木瞳の新作ドラマ「プリマダム」(タイトルがまた微妙~コメディタッチなのか?)はどうだろ?
このところ主演ドラマ、コケまくりだもんね。共演が中森明菜神田うの高岡早紀
女同士の争いが生まれそうな製作裏話のほうが楽しみかも


↓東京タワー
http://www.tokyo-tower.jp/index1.html

↓プリマダム
http://www.ntv.co.jp/prima/

↓映画生活
http://www.eigaseikatu.com/title/11023/









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Last updated  April 9, 2006 09:28:58 PM
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