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テーマ:たわごと(26906)
カテゴリ:思い出
昨日から子供に引力の説明をしていて、これは本を読ませたほうが早いと、仕事帰りに書店へ行った。
子供の本を選んでいたときに目に入った、「お母さんの木」と言う絵本。これは私が小学校のときの国語の教科書に載っていた話だ。 お母さんが大事にしている木の葉っぱを、戦争に行ってしまった息子に例えて語りかけると言うシーンがある。 この話は戦争を題材にして書かれたとっても悲しい話なのだけど、ついつい可笑しくなってしまう思い出がある。 小学校の時にK君という同級生が居た。 とっても真面目な子だった。 だけど、誰にでも親切で心の優しい男の子で、しかも面白い面も持った誰からも好かれるような少年だった。 私と仲の良いIちゃんと言う子はそんなK君のことが好きだった。 ある日の国語の授業で、担任の先生はK君に教科書を音読するように言った。 そう、その時習っていたのは「お母さんの木」。先生が読むように言ったのは、主人公であるお母さんが一枚一枚の葉っぱを見ながら息子のことを思い出しているシーンだった。 K君が教科書を朗読している間、教室はシーンと静まり返っていた。 悲しいシーンを子供ながらに心を込めて読んでいたからだと思う。 「この葉は一郎・・・この葉は二郎・・・」とお母さんが葉っぱに語りかけるシーンは、子供でも母親が子供を戦争に取られるという辛さが分かるこの話の重要なシーンだと思う。 しかし、 「・・・逃げ出すようなひょうきんな子では・・・」 先生は烈火のごとく怒り出した。 「K君、真面目に読みなさい!」 いや、決してふざけているわけではなかったのだと思う。 K君は「ひきょうな子」と言うのを「ひょうきんな子」と読み間違えてしまったのだ。 その途端、教室の空気が普段どおりに戻った気がする。 そのK君、中学校から某有名私立に入って、私が職を失ってぶらぶらしている時に道であったときには私でも聞いたことのある雑誌を発行している会社に勤めていた。 今ではK君に道でばったり会うことはなくなったけど、実家から帰ってくる途中にあるK君の家の前を通るとたまに思い出すことがある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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