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カテゴリ:日々それこれ
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アメリカにおけるいろんなかたちの人種差別が描かれている 白人、黒人、韓国人、中国人、メキシコ人、ペルシア人が登場 日常的に誰もが経験する差別がそれぞれの登場人物を通して見れる映画だった 人種差別を自分のものとして考えることはアジア人・イン・アメリカとしては容易いが アジア以外の移民が体験する差別にも目をむけさせられる 黒人として誇り高く生きようとする人を阻む壁の厚さ 黒人であることに開き直って生きる選択をする人々 人種の頂点に立ち異人種を自己の囲いから全く外している典型的白人 毎日の生活にさりげなく口にされたりしぐさに出たりする差別がこの映画で見られる 昨年ウイスコンシン州とミネソタ州の境目で カンボジア移民の男性が白人6人を猟銃で射殺する事件があった。 この男性は11才でカンボジアからアメリカへ移民し、高校卒業後ナショナルガードのトレーニングを受けた経歴があるため銃の腕は一品だった。「人種差別用語で脅されてから銃を足元に撃たれ始めて、このままでは殺されると思ったから撃ち返した」と証言した。 カンボジアの男性は友人と鹿猟にやって来ていて早朝この射殺することになったパーティが寝泊まりする小屋がある見張り台に入り込んでいたところを見つけられ、退去するように言われた。その時、彼は猟用の覆面?をしていたがカンボジアのモング系であることは(この人種の人口はミネソタ州に多い。この民族はベトナム戦争時代アメリカに加勢して戦った)明瞭で、合計8人の白人が彼を囲み、モングを差別する用語で罵声したらしい。 生存者が2名いたが二人とも先に撃ったのはカンボジア人の彼と証言し、 人種差別用語で罵声したことには深く触れられていなかった。 今年になって裁判があり 彼には無期懲役が言い渡されたのだが モングの人たちは彼に同情する 自己防衛しただけだと。 撃たなければ殺されていたんだ。 一方彼を良く知る人は ビジネスがうまくいっていなくてディプレッション気味だったことや ショートテンパーの持ち主で2番目の奥さんを殴った事もあることから 人種的不利を踏まえながらもコメントを避ける人もいた しかし この民族が多く住む地域では白人とモングの間の摩擦は確かに存在し この事件はその大きさから明るみに出ただけだ。 昨年の時点では多くは報道されなかったが 今年裁判が始まる前に この事件の特集が新聞で組まれていて 被害者のなかには女性もいたことを初めて知った また何人かは背中から撃たれていたことも 加害者の彼はこの国に移民して以来様々な人種差別を体験しながら生活をした。 小学校5年生の時にはテコンドーを習って「これで、差別する奴らをやっつけることが出来る」と思ったそうだ。 この事件直後は差別に関して何も報道がされていなかったが、ニュースを読んで、状況がピンと来て、彼に全く同情的だった。私もアジア人であるから。 しかし、今年になって詳しい記事を読んで これまでアメリカに暮らした数十年に渡る白人達に対して鬱積していた怒りが爆発して、彼は自己コントロール出来なくなったのかもしれないと思った。 同情というか、彼の状況を理解は出来る、が、女性(婚約中)も撃たれていたことにはショックだった。 また背中から撃たれた人がいた事実も。 全員白人の陪審員で行なわれた裁判だったが、 仮にこの加害者の銃の腕がそれほど上手くなく、このパーティに撃たれて殺されていたとしたら 果たして彼らにはどんな判決が下っていたのだろうつい皮肉なことを考えてしまう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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