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テーマ:★留学生活★(629)
カテゴリ:留学レビュー
昨日のエントリーにさっそくKSD_farfallaさんと
ひよこまめさんがレスをつけて下さったけど、 (KSD_farfallaさん、ひよこまめさん、ありがとう ございました)というわけで、アメリカは大学によって 成績のつけかたはまちまち。だから昨日のエントリーの 例のようにシステム上GPAが低めに出てしまう学校だと GPAが高めに出てしまう学校の卒業生と競った場合に 不利になるのでわいわい騒ぐことになるわけ。 さて、昨日も書いた通り成績の基準の「建前」はあくまで Cが平均(Aは本当に抜きん出ている学生のみ)と なってるんだけど、実際はC~Bの間くらいが平均と いった感触じゃないかと思う。実際、自分が大学にいた 頃、平均GPAは2.6と言われていた。 と、ここまで書いてからちょっと調べてみたら、現状は もっとひどかった。2001年~2002年の全米推定 平均GPAはなんと約3.1! なにはともあれ平均が本来あるべきところ(2.0)より 高いのは、卒業生が他校の学生よりも有利になるように といったような親心から年々ジリジリ上がっていったから とも言われている。自分が学生の頃は本当に平均GPAが 2.0だったという教授もいたし、その「伝統」を かたくなに守っている教授もいた(当然、学生からは 嫌われていた)。 ただ「建前(2.0)」よりは高くなってしまってるとは いえ、各大学も体面上、全米平均GPAからさらに 抜きん出て高い平均GPAを容認するわけにもいかない といったプレッシャーもあるので、それなりの公平性は 保たれているのかも。 もちろん「我が道を行く」大学もある。よく引き合いに 出されるのはハーバード大学。2001年10月23日付 Boston Glove紙の記事「Harvard asks faculty to justify grading methods」によれば、ハーバード大学 では半数の生徒にA(もしくはA-)を出しており、 このあたりは、ある程度金とコネで何とかなる私立大学 よりも公立(州立)大学の方が公平性が保たれている という議論にもつながってくるんだけど(ちなみに私立 大学の方が成績のつけかたが全般的に「甘い」のは 既出のページでも示されている)、今回のネタとは関係 ないのでとりあえずそれは脇においておく。 話を元に戻すと、そういった成績の基準がバラバラという 現状を踏まえて選考先(大学院など)が出身校の成績分布 (例えばAは全体の何%でBは何%、もしくは全学生中 この学生は何番目くらいの成績なのかなど)の資料を要求 してくることもある。出身大学がアメリカの大学、それも それなりに知られている大学なら選考側も要領をえてる だろうけどね。成績の基準が根本的に違う日本からの 出願の際には要求されなくても資料を添付すべきという アドバイスを見かけることもあるけど、それも一理ある。 そういえば、アメリカの大学の成績のシステムで重要な ことを忘れていた。 いわゆる「カーブ」。 例えば目安としてAはそのクラスをとった学生の20%、 Bは40%、Cは30%、Dは10%に出すことにした として、学期の終わりに最終的に「建前」通りにちょうど うまいこと90点~100点の学生が20%、80点~ 90点の学生が40%・・・になるなんてことはまず ありえない。というわけで、成績配分を調整するために 学期の最期などに点数に「ゲタ」をはかせることがある。 例えば実際には85点以上の学生が全体の20%だった 場合、全員の点数に5点上乗せする(結果的に85点以上 ならAになる)など。 このカーブ、自分の経験からすると成績を「救済」する (点数を上乗せする)方向に調整されることがほとんど だけど、まれに厳しい教授だと、逆に90点ではなく 93点以下はBなどとしたりすることもある。 さらに当初から、Aは(数字的な点数は関係なく)上から 20%・・・などと言い渡されることもある。 といったところでついにcum laudeネタに突入しよう。 とりあえずウィキペディアのLatin honorsの項(英語) にリンクしておく。 この卒業成績によってもらえる「アンタはエラい」の称号 一番ポピュラーなのは三段階。「cum laude系」で言えば、 上かsumma cum laude、magna cum laude、そしてただの cum laudeというパターン。 もちろん別の名称を使っているところもあって、例えば 自分が通っていたペンシルバニア州立大学では、highest distinction、high distinction、そしてただのdistinction となっているけど、内容はcum laudeと同じ。 さて、じゃあこの称号を出す基準ははっきりしている かというと、これも学校によってバラバラ。 最終GPA3.9以上にmagna、3.75以上にmagna、 3.5以上にcum laudeというのも見たことがあるし (厳しいところではmagnaは4.0にしか出さないと いうのも見たことがある)、上で引き合いに出した ペンシルバニア州立大学の例でいけば、上位から2%に highest、2~6%にhigh、6~12%にdistinction ということになっているので、卒業生の成績分布に よってGPAベースでの線引きは多少変わるわけ。 ちなみに前者のシステムだと極端な話、最終GPAが高い 学生が多ければ多いほど、Latin honorsも「量産」される わけで、この例としてよく引き合いに出されるのがやはり ハーバード。ハーバードは実に卒業生の9割以上がwith honorで卒業していると2001年10月23日付Boston Glove紙の記事「Harvard asks faculty to justify grading methods」には書かれていて、とするとハーバードの場合、 honorなしで卒業のほうが「稀少」ということになる(汗)。 もちろんこういったhonorのシステムを採用していない 学校もあるし、だからこのネタを書くきっかけになった にわか旅人さんの「GPA4.0の維持が簡単だと、コミカレ では毎学期大量のsumma cum laudeが出るのでしょうか」 という質問への答えは「学校による」ということになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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