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Aug 31, 2007
カテゴリ：学位工場 Degree Mill
「学位商法：熊大教授が米国の非公認大学『博士号』を公表」
まずは念のためこの記事を紹介しておく。あたり前の話 だけど、これは氷山の一角のさらに一角。 さて先頃のネット上の「乱闘」の原因となった大学（学校？） が未認定校として話題に上るのは何も今に始まったことでは なく、この「業界」ではどちらかというと老舗だ。 昔は現在日本で主に使われている名称の学校としても存在 していたんだけど、今は少なくともアメリカでは名称（と 組織）を変えて相変わらず存在し続けている。 一方、日本側の参加者は旧名称を使い続けている人もあり、 新旧名称を「混ぜた」名称を使っている人もあり、新名称を 使っている人もいるようだけど、どちらかというと旧名称を 使い続けている人が多いようだ。というのも、日本側の 組織は相変わらず旧名称を使い続けているようだからだ。 この学校のアメリカ側の組織がアラバマ州から認可を受けて いるというのは本当だ。念のために強調しておくと、アメ リカの場合、州からの認可は学位の普遍的有効性とは直接 関係がない。（詳しくは「未認定校 学位工場 学位商法」 もしくは「Degree Mill リンク集」をご覧下さい。） さて、日本の参加者はこのアラバマ州からの認可をもって 学位の有意性（？）を主張することも多いようだが、アメ リカでは州からの認可が学位の普遍的有効性と直接関係が ないことはもちろんだが、それ以前に旧名称、つまり日本側 で主に使われている名称でのアラバマ州での認可はすでに 存在しない。 World Association of Universities and Colleges (WAUC) という第三者機関に「認定」を受けていると主張している 人もいるようだが、現在、WAUC 認定大学のリストに 新旧いずれの名称でも入っていない。さらに現在、アメリカ 側で活動を続けている組織の Accreditation 団体のリスト にも WAUC は入っていない。 余談になるが、このアメリカ教育省非認定の認定団体 WAUC のHPを見ていると、大学が売りに出ていたり（現在、AME RICAN INTERNATIONAL UNIVERSITY OF MANAGEMENT & TECHNOLOGY という大学が $ 275000 からということでオー クションに出ているが、けっこう安いね）免責条項を見て みると、「WAUC 認定校の内容についてはWAUC は責任を 負わず、WAUC 認定校に入学しようとする学生は自らの 責任で入学しようとする学校の内容を精査するように」 などと、認定団体という存在と矛盾するような内容のことが 書かれていたり（誤解釈でしたら遠慮無くご指摘下さい）、 ある認定校の連絡先となっている日本の電話番号を、今は 全く関係ない会社が使っていたりして、なかなか楽しい。 さて話を戻すと、というわけで、話題に上っている学校は 日本で主に使われている名称ではアラバマ州の認可校リスト にも登場せず、WAUC というアメリカ教育省非認定の 認定団体にも認定を受けていないようだ。 ここで思い出されるのは、以前も触れた NLP University と いう大学（？）、についてのこの記述だ。ここでは NLP University はそもそも教育機関（University）を標榜 しない（HP を見れば、確かにほとんどの人にはそれは明白 だと思われる）ので Degree Millではない、という主張が なされている。名称は University なのに University でない というのはよくわからないが、個人的にはかなり目から ウロコで気に入っている論理展開だ。 もしかしたら今回話題に上っている学校も、日本側組織は 日本の学校教育法はもちろんのこと、アメリカの大学認可 認定制度からも完全に自主独立した大学という、これまでに ない斬新な教育機関像を確立しようとしてるのだろうか。 実はこのような既存の認可認定システムから全く独立した 「大学」はすでに「呼吸大学」の例もあるのだが、その組織 規模や、現時点における社会貢献の大きさからいっても 渦中の大学は目が離せない存在と言えるかもしれない。  ←未認定校、非認定校、Degree Mill学位工場、学位汚染関連リンク集 ブログＨＯＭＥへ お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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