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テーマ:★留学生活★(629)
カテゴリ:MPH関連
そもそもMPHって何?って人がいるようなので、ここにウィキペデイア内のリンクを二つあげておこう。一つはProfessional Degrees of Public Health(英文)。もう一つは公衆衛生大学院。ちなみに今回このウィキペディアのエントリーを見て初めて知ったのだが、アメリカではCertified in Public Health(CPH)という資格試験の実施も始まったようで、これからより専門家としての地位が高まっていくのかもしれない。
ここからは全く個人的な解釈なので、他の人の意見も聞いてみて欲しいところだけど、例えば今回の豚インフルエンザのケースなどにおいて、アメリカではCenter for Disease Control and Prevention (CDC) という組織が中心となって包括的対応策に役立つ研究、それに基づく提言や情報提供を行っている。CDCは日本語では米国疾病予防管理センターと訳されている。そしてCDCのような組織の中で働いている人はMPHをもっていることが多い。CDCで働いている人の中にはもちろん医師も多いが、社会全般の医療施策にかかわる分野に携わっている医師はMD(臨床系医学博士)の他に、MPHも持っている人が多い。 医師は一般にミクロ(個人単位)医療のプロフェッショナルではあるけれど、集団単位の医療施策立案のプロではなく、一方、日本でCDC的役割を担っている厚生労働省では、基本的に個人対象の医療のプロフェッショナルである医師と、先輩から見よう見まねでマクロ的医療施策を学んだ官僚が対策の立案、実施を行っている。極端な表現をすれば、素人集団が物事を決めているとも言える。ただ、もちろん医師の中にも独学でMPHのプログラムで学ぶようなことを学んだ人もいるだろうし(当然アメリカなどのMPHのプログラムに留学する医師もいる)、官僚の中にもMPHホルダーか、それ以上の能力をもっている人もいると思われる。が、日本にはそのような人材を体系立てて養成するシステム(そしてそのような人材が活躍する場)が少ないことは事実だ。 ちなみに今回の豚インフルエンザのケースでもCDCの発表する情報や提言を見た上で日本の厚生労働省が行う発表や施策を見てみると、ほぼ完全に厚生労働省はCDCの後追い(だいたい1~2ヶ月遅れでCDCの発表とそっくりの情報を発表したり、施策を行ったりしている)であることがわかる。一般の報道を見ていても、「アメリカのCDCでは・・・一方、厚生労働省は・・・」というタイプのニュースが多いことからして、なんとなくそれを感じた人もいるかと思う。 なんだか長ったらしくなってしまったので、続きはまた後日としよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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