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テーマ:海外旅行(7474)
カテゴリ:アメリカあれこれ
まずはこの事故で亡くなられた方のご冥福をお祈りし、また怪我をされた方は一日も早く良くなられることをお祈りします。
本当は昨日のうちにこの日記をMIXIのほうに上げようと思ってたんだけど、MIXIがダウンしっぱなしなのでとりあえずこちらにアップしてみる。ちなみに重傷者の方々の入院治療が長期化しそうな気配だが、そうなると気になってくるのは医療費の問題。アメリカの医療費は膨大で、今回のケースではへたをすると普通の方が入られる旅行者保険ではカバーしきれない可能性が十分にある。日本領事館や日本の旅行会社はツアーに参加された方が入っている旅行者保険の内容を確認して、必要であれば早急に優秀な弁護士を紹介すべきだと思う。 日本に逃げ帰ってしまえば、アメリカの医療機関は請求を諦めるといったような噂もあるようだけど、ある程度まとまった金額になれば、彼らは日本まで追っかけてきます。 なにはともあれこのルートを旅した事のある自分としては事故の場所を聞いた瞬間にあれ?と思ったことがあった。なんでインターステート15号線? ちなみに当時の旅行記はこのブログにあります(前編後編に分かれていて、このリンクは前編へのリンクです。ザイオン~ブライスキャニオンは後編に登場します)。 地図が小さくて見づらいかもしれないけれど、ザイオン(地図左下)からブライスキャニオン(地図右)に抜けるのであれば9号線を東に向かい、89号線を北上するという下道を使った方が近道で、普通はそっちを通る。自分が旅をした時もそっちを通った。それをこのツアーは一度9号線を西(ブライスキャニオンと反対方向)に戻って15号線を北上し、シーダーシティー(ここまでのルートは地図上青線)から14号線を東に向かって89号線に合流し、ブライスキャニオンに向かう途中、シーダーシティで事故を起こしたと思われる。 さて、今回もう一つ個人的に驚いたことは、HISはともかく近畿日本ツーリストや日本旅行はけっこうしっかりした会社だと思っていたので、それでも現地ツアーだと他者との混載になってしまうんだなぁということ。 というわけで近畿日本ツーリストのページを見にいってみると、恐らく今回のものと思われるオプショナルツアーはAlan1という下請け会社がやっていることがわかった。(さらに規約を良く読むと、オプショナルツアーは別会社がやるので、近畿日本ツーリスト自体は直接責任は負わない、ともとれる注意書きがしっかり書いてあった。そして今日の広報の会見では、近畿日本ツーリストは今回の件では直接の責任はないという内容を明言していた。) Alan1のページを詳しく見てみると、なぜ15号線で事故を起こしたのかもわかった。注意書きに工事中のため迂回するとある。本来であれば19:30にはブライスキャニオンに到着の予定が、実際には15号線上で18:40頃に事故を起こしており、ちなみに「迂回ルート」だとシーザーシティーからブライスキャニオンまで下手をするとあと2時間弱くらいかかることからして、運転手はそれなりに急いでいたのではないかとも思ってしまう。 Alan1のページをさらに詳しく見てみると、このツアーはAlan1のさらに孫請けのウェスタンレジャーという会社が催行していることがわかる。ウェスタンレジャーのページを見に行ってみると、ウェスタンレジャー自体は客からのツアー申し込みの「直受け」は5月~9月の間は行っておらず、これはつまりその時期は日本からのツアーの孫請けに徹してるんじゃないかと思う。 アメリカのメディアによると、事故を起こしたバス自体はCanyon Transportationという自社HPすらもたないような小さな会社から借り入れたものであり、つまりCanyon Transportationは近畿日本ツーリストやその他の会社の曾孫請け会社ということになるわけだけど、これも繁忙期ならではの状態ということだろうか。 ウェスタンレジャーの担当者は日本の東京新聞や中日新聞のインタビューに対して「運転手は日系米国人の大学生(26)」と答えている。 アメリカのメディアでは、運転手は単にJapanese(日本人)となっていたり、Japanese-American(日系人)となっていたりして実際のところは判然としないけど、アメリカの日系格安旅行会社の実態を垣間みたことのある者にとっては、日本からの留学生が(違法就労で)夏休みのバイトをしていたという可能性も捨てきれないと思っている。ウェスタンレジャーの担当者は日本人なので、会社が違法就労の斡旋をしていたともとれる発言はできないので、とっさに「日系人」と答えたのかもしれない。 と、ここまで書いたところでもう一度最新ニュースをチェックしたら、やはり学生ビザでアメリカに来ている(就労許可がない可能性が極めて高い)日本人の26歳の大学生だということがわかった。(アメリカの日本人留学生の暗黒面がまた一つ垣間見えたってところかな(苦笑)。)恐らく彼はこれから結構な期間アメリカの刑務所に入った後、国外退去を命ぜられ、二度とアメリカの土は踏めなくなると思われます。 就労許可なしでドライバーをやらせてたとなると、ウェスタンレジャー社もお縄をちょうだいすることになるから(表現が古いね)ラスベガス発のオプショナルツアーがしばらく混乱状態になるだろうし、以下のような記事に既にその一旦が現れている。(しかし、これは本当に氷山の一角だよ。少なくともアメリカのオプショナルツアーを催行してる現地法人なんて、ほとんどこんなかんじの所だと思う。) 何はともあれ14人をひきつれてたった一人で添乗員兼ドライバーをやるというのはかなりの激務だったに違いない。 アメリカの場合州によって交通法規が違うのでユタ州の場合はわからないけど、少なくとも自分が住んでいる州は日本の普通免許にあたる免許でこの15人乗りのバスを運転することができる。(自分も「おらが村」から日本人15人を乗っけてイチローの試合の観戦ツアーをやったことがある。ちなみに自分は日本の免許だけど大型免許も普通だけど二種免許ももってます。)というわけで、このドライバーも普通免許で運転してたりしたのではないだろうか(それ自体はアメリカでは違法ではないんだけどね)。後の記事で商用免許を取得していたとあるけど、少なくとも我が州では日本の二種免許のようにより高度な運転技能が問われるタイプのものでもない(普通免許に毛が生えた程度のもの)。 なにはともあれちょっと気になったので色々調べてみたら「もしかしたら」の事情がちょっと見えてきたような気もした。 余談だけど、アメリカのニュースサイトなどのコメント欄でアメリカ人の「日本人は高速の運転に慣れていないから事故を起こした」といったようなコメントをいくつか見かけたけど(アメリカ人はなぜか日本人は運転が下手だと思っている人が多い)鼻クソのような運転技能のアメリカ人にそんな事言われたくない(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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