「新幹線vs.エアライン 国内交通の覇者はどっちだ?」
個人的には長い目で見ると、日本においてはエアラインの勝利だと思っている。
夜の日米の空を飛び比べてみると、昔は日本は「線」、アメリカは「点」という特徴が如実に分かった。
日本は鉄道や街道沿いに、人の営みが光の線となって連なり、一方アメリカは黒い大地の上に街の灯りが文字通り点在し、その他は漆黒の闇であった。
ところが最近、日本は光の線が途切れているところが増え始め(つまり、田舎から人が減っているということだろう)、逆にアメリカはけっこうな距離に渡って光の線が伸び始めたような気がする。
実際、アメリカは2005年頃から
Megaregions of the United Statesという、複数の都市が連なった巨大都市圏出現の可能性が提唱されるようになってきた。
鉄道は、遠い街と街、点と点の間を移動する乗客だけを相手にしているだけでは、つまり「道中の乗り降りの需要」がなければあれだけ「長大」なインフラを維持しながら採算合わせることが不可能なことは素人でもわかる。
一方、飛行機の場合、必要なのは「点」に存在する空港というインフラだけ十分で、つまり、線から点へ衰退していくであろう日本の場合は長い目で見るとエアラインに軍配が上がるのではないかと思える。
(逆に、アメリカはこれから「鉄道のような」交通機関の時代が来るかもしれない。「のような」とは、それが必ずしも今の鉄道と同じ形態ではないかもしれないという意味である。)